天才が凡人に出会った。

はんこ屋TAFの生きた証

イラストはんこの専門店「風変わりなはんこ屋ざっくばらん」の店長ブログ。はんこ屋TAFがはんこに関することや趣味の漫画、アニメ、ゲーム、日常の出来事についてを書いています。

声優志望の彼女たちは夢を叶えることが出来たのだろうか。

時には以心伝心で理解をしなければならないこともあります。

こんばんわ、TAFです。

察することも大事です。 

 

今日のブログは考えさせられる話&シリアスなお話を。

 

10年以上前のお話なのですが、私が専門学校に通っていた頃に、

授業の一環で「サウンドドラマを作る」という課題が出されました。

 

当時クラスはDTM学科(PCで作曲)とラジオ制作学科の合同クラスで

私はDTM学科なので曲を作成、ラジオ制作学科が台本を考えました。

 

 曲と台本は完成した、残りは「音声」です。役を演じる人が必要です。

しかしながらDTMとラジオ制作、音声は畑違い、分野が違います。

ミーティングの時に私はラジオ制作学科のリーダー的なポジションの本田君(仮名)に聞きました。

 

私「声だけど、よくあるスタッフが声あてましたみたいな感じにするん?」

本田君「おいおい、TAF、何いうとんねん。この学校にあるやろ、声優学科

私「ああ、あるにはあるけど・・」

 

当時私の通っていた学校には声優学科がありました。

しかしながら、授業の関係で全く縁がなくこれまでに一度も接触はありません。

 

私「関係ない学科が絡んで大丈夫なん?」

本田君「TAFが良い曲作って、俺が良い話を作った。ほんで声だけ手抜きする理由があらへんやん。専門の人間がいるならそいつに任せた方が絶対ええやろ。ちょっと時間もらえるか、俺から先生に相談して声優学科にお誘いかけてみるわ

 

本田君の凄いところはその行動力、どんどん絡んでいくのです。そこに迷いはありません。

 

数日後、本田君に聞いてみると、

 

本田君「おう、授業終わった後に教室お邪魔させてもらって、声優学科に話して今日オーディションすることになったわ。」

私「そ、そうなんだ」

 

まさに有言実行、本田君は先生に相談して単身声優学科に乗り込んでいき説明をしていました。

もちろん、本田君の冗談とは思っていなかったのですが、

当時の私は「ホントに行ったんだ・・・」と驚きました。

 

本田君「良かったらTAFもオーディション見に来るか?」

 

この時私は予定が入っていたので断ったのですが、今思えば絶対に見に行くべきでした。

中々見ることが出来るものではありません。それは今でも後悔しています。

 

数日後に本田君から

 

本田君「一応二人声お願いする人決まったわ。女の子二人で今日授業終わってから台本受け取りに来るんやけどTAFも来るか?」

私「分かった、俺も行くわ!」

 

私は二つ返事で答えました。どんな人なのか見てみたい。

 

その日の夕方、教室の収録ブース(ラジオ収録に使うような防音室)で待っていると、

重いドアがゆっくりと開いて、

 

女の子「こんにちわ!(・∀・)(・∀・)」

 

女性が二人入ってきました。私の第一印象は「声が通る人だな」でした。

※以降Aさん・Bさんとします。

 

本田君「はい、これが演じてもらう台本になります」

そう言いながら、本田君が女性二人に台本を渡すと、AさんBさんは受け取りなり

 

Aさん「ありがとうございます!練習して良いですか!」

本田君「?ええ、どうぞ」

 

Aさん「それじゃあ私がこの役やるからBはこの役やって!」

Bさん「うん、分かった!」

Aさん「!!!!」

Bさん「!!!!」

 

時間にして5秒くらいでしょうか、

台本を受け取ってから二人は全力で台本の読み合わせを始めたのです。

 

本田君「え、ええと・・」

 

流石の本田君もこれには驚きました。私も唖然としました。

何人も寄せ付かない、まさに全力、全力で二人は台本の読み合わせを始めたのです。

静かな収録ブースに二人の良く通る声が響き渡りました。台本を読み終えた後、

 

Aさん「こういうお話だったんですね!(・∀・)」

Bさん「収録が楽しみです!(・∀・)」

 

本田君「ありがとうございます、役はお二人で相談して決めてもらって良いんで、しばらく台本を読み込んでもらってまた収録の時は連絡しますね」

 

二人は笑顔で「分かりました!」と返事をすると収録ブースを後にしました。

 

・・・収録ブースに静けさが戻りました。

 

私「本田君・・なんか、その、凄い二人やったね(´ω`;) 」

本田君「・・凄いやろ(笑)」

 

正直圧倒されました。

 

私「ってか、いきなり台本読むとか、俺やったら恥ずかしくて絶対できへんわ。」

本田君「俺らとは違う世界やけどな、声優ってのはなりたい人間は山ほどおるんや。そんな中で役をつかみ取ろうと思ったらあの二人みたいに恥も外聞もなく大声で演じれるくらいの度胸がないとなられへんのや」

 

言葉が出ませんでした。まるで別の世界の人の様に思えたのです。

私は無性に気になったので本田君に聞きました。

 

私「本田君、確かさ、オーディションやったって言ってたけど二人以外にもおったってことやでな?」

本田君「おお、おったよ。実はな・・」

 

そう言うと本田君はオーディションに至るまでの経緯を話しました。

 

本田君

「俺が声優学科で主旨を説明した時に聞いたんや。「ここまで僕の話を聞いて、気になった人、やってみたいと思った人は挙手してもらえませんか?」ってな。

教室には20人くらい声優学科の生徒おったけど、その時に真っ先に手を挙げたのがさっきの二人、その後に少しずつ手が上がって四人、合計六人やった。

ほんでその六人でオーディションやったんやけど、あくまで俺目線やけどな、

あの二人が表現力とか技術力でも圧倒的やって即決やったわ。」

 

本田君は続けて話します、

 

本田君「俺らは夢を叶えるためにここに来てる、それは声優学科の生徒も一緒や。

これは俺らからしたら課題の一つやけど、声優学科からしたら自分をPRするツールになる。あの二人はこれから自分を売り込む場に行ったらこのサウンドドラマ収録したCDを相手に渡せるわけや。実績も何もない人間にとってこれはでかいぞ。

評価されるかどうかは分からんけどな、それくらいの泥臭さが絶対いるんや。

やから俺から言わせれば言葉は悪いけど、俺が教室で説明した時に手を上げすらしなかった残りの16人は絶対なられへん。戦う前から負けてる。」

 

ゆっくりながらも熱く話す本田君の言葉は当時の私には衝撃的でした。

そして無事に課題は仕上がり、この話は終わり、なのですが、

 

私は今でも引っ掛かっていることが一つあります。

今回登場したAさんBさんなんですが、途中で自己紹介をしていたのです。

その時に一人の名前が妙に覚えやすくて今でも記憶に残っているのですが

数年前にアニメを何となしに見てたら

スタッフロールに自己紹介の時に聞いた彼女と同じ名前が載っていたのです。

 

ま、まさか・・

 

私は急いで名前で検索してウィキペディアを見てみたのですが、

残念ながらその方の経歴に私の通っていた専門学校は載っていませんでした。

どうやら同姓同名のようです。ドラマの様な出来事はおこりませんでしたが、

声優志望の彼女たちは夢を叶えることが出来たのだろうか。私は今でもふと思うのです。

 

現在私は大阪でイラストはんこ屋の専門店をしています。

「最高の店を作る」夢を叶えるために日々努力しています。

二人の目指した夢が厳しい世界とは思うのですが、

私としては二人の夢が叶っていてほしいなと思います。

 

余談ですが、今回登場した本田君は最終的に夢を叶えて見事放送業界に就職します。

就職が決まった時に感想を聞いたら「嬉しいけど、夢が叶ったら現実やったって感じやな」でした。何とも本田君らしいですね。

私の中では印象深いエピソードになっています。

 

今日はこれまでで。

 

ではでは。

 

今回のサムネイルはイラストはんこ「ウシ」でした。

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