天才が凡人に出会った。

はんこ屋TAFの生きた証

イラストはんこの専門店「風変わりなはんこ屋ざっくばらん」の店長ブログ。はんこ屋TAFがはんこに関することや趣味の漫画、アニメ、ゲーム、日常の出来事についてを書いています。

あのケーキ屋さんは今はどうしているのだろうか。

先日、実家に帰った時に地元の商店街の小さなケーキ屋さんが潰れていました。

シャッターに貼られた閉店のお知らせを見た時、あるケーキ屋さんが頭をよぎりました。

こんばんわ、TAFです。

今回はシリアスなお話です。

 

これは私が以前、食品開発の仕事に関わっていた時の話なのですが、

私宛に提案(営業)の電話がかかってきました。

 

「お店のクッキーを売ってもらいたいんですが」

 

場所は詳しくは覚えていないが東京近辺だったと思う。

あるケーキ屋さんの店長で、クッキーを売ってもらいたいとのこと。

(ざっくりとした提案に感じた方もいらっしゃると思いますが、当時は割とよくある電話で

「みかんを売ってほしい」「肉を売ってほしい」等色々ありました)

 

私「一度サンプルを送ってもらえますか。実物を確認したいので」

店長「分かりました!すぐに送ります」

 

力の入った返事だったのが印象的だった。

私は電話を切った後に、アピールポイントを見ておこうと思ったので

先方から聞いたお店の名前でインターネットで検索。

 

ケーキ屋さんのホームページはいわゆるネットに不慣れな方が作ったホームページで

残念ながら素材のこだわり等は確認出来なかった。

私は当時「これは難しい商材だな」と感じた。

 

私「この商材サンプル来るんですけどどう思います?」

 

同じ部署の同僚に聞いてみた。

 

同僚「うん?ケーキ屋さんが何でクッキー提案してくるんやろ、

普通自分の店の自慢のケーキとかとちゃうん?」

 

売る側の理由は何となく分かるが、作る側の理由が分からない。

サンプルが届いてから聞いてみることにした。

 

数日後、ケーキ屋さんからサンプルが届いた。

おかきが入っているような透明なフィルムにクッキーが500gぎっしりと入っていた。

色んな種類のクッキーの詰め合わせのように見えた。

私の第一印象は「このぎっしり感いいな、お得感がある。」

 

昔、人は見た目が9割という書籍が話題になりましたが、

商品にとっても第一印象はとても大事で、ぱっと見で感じた印象はとても大事です。

端っこを切って、ぱくっと食べる。美味しい。

 

早速ケーキ屋さんに連絡。

 

私「サンプル送って頂きありがとうございます。クッキーを希望されているんですね。

弊社でケーキとも取り扱えますよ。」

店長「何言ってるんですか、ケーキは日持ちしないでしょう、クッキー売って下さい」

 

私「分かりました、クッキーですね。こちらのクッキーはこだわっているところとかはありますか。

お客様へのアピールポイントになるので」

店長「特にないですが、一生懸命作りました。」

 

ケーキは日持ちしない、クッキーは日持ちする。売る側の私は理解しているのである。

※ケーキは日持ちしないため冷蔵・冷凍で発送する必要があり、手間と送料も余分にかかる。その点、

クッキーは常温だから日持ちがして取り扱いやすい。

 

私は何とも嫌なものを感じた。

 

・・電話越しの店長から熱を感じないのだ。

 

当時の私の部署には全国から提案の電話やメールが日々届いていて、色々な商材を見て来ました。

2年後にヒット商品の開発に成功しましたが、その時の相手は熱を感じる方だったのです。

その商品は内容量の調整、容器、ラベルデザイン等入念に打合せをして完成しました。

食品は華があるジャンルですが、超激戦区、製造側と販売側が力を合わせて

取り組まなければ良い商品は出来ません。

私の部署では商品ページも自前で作成していたので販売となると撮影、ページ作成等も行います。

やるからには最良なパッケージで売らなければいけません。

自分なりに何か方法を模索してみる。

 

私「内容量は250gごととかは出来ますか?他の商品とセットで販売したり」

店長「無理です、分けるの手間なので500g単品で売って下さい。」

 

パッケージに対する確固たるこだわりは伝わってきた。が、

私には難しく感じたので販売は見送ることにしました。

それでも頭に何か引っかかったので上司に相談してみると、

 

上司「町の小さなケーキ屋さんのクッキー、か。店長1人でやってそうやし、

景気も悪かったんとちゃうかな。これは俺でも売るのは無理や、気にすんな」

 

上司はケーキ屋さんのホームページを見ながら淡々と話した。

 

私は何とも言えない気持ちになった。

無理を通してでも売った方が良かったのだろうか。

もしかしたら他に良い方法があったかもしれない。

それに、自分が生産者だったらこうするのにという思いも抱きました。

 

現在私はイラストはんこ屋をしているのですが細かいところにこだわっています。

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風変わりなはんこ屋ざっくばらんのイラストはんこを収納する専用パッケージ。

素材やデザインのカラーを何パターンも考えて完成しました。

 

届いた時やもらった時に嬉しいと思えるようなものを日々考えています。

私のこだわりも、そのルーツを辿るともしかしたらこのケーキ屋さんから始まっているのかもしれません。

 

あいにく、お店の名前は忘れてしまったので

あのケーキ屋さんが今はどうしているのかを確認するすべはありませんが、

今も残ってくれていたらと思います。

 

今日はこれまでで。

 

ではでは。

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