天才が凡人に出会った。

凡人が天才に出会った。

過重労働・ブラック企業・ヒット商品の開発・独立。波瀾万丈の人生を歩んだフリーランスがこれまでの人生を振り返ります。

20年来の友人に「新興宗教」の信者の家に連れていかれた話。その2(完)

この話はこちらの記事の続きになります。

taf.hatenablog.jp

 

男性が取り出したのはお守りでした。

 

私「これはお守り・・ですか?」

 

男性「うん、そう。僕はこのお守りを常に身に着けているんだけど効くんだよ」

 

男性は至って真剣に話しました。真剣なのは分かるのですが・・

そう話されたところで、

 

(はぁそうなんですかとしか言いようがありません。)

 

男性「是非君達にも持っておいてもらいたいんだ」

 

男性は私達にお守りを持つことを薦めてきました。

私はぽかーんとしていると、 

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?「そのお守りそんなに凄いんですか?」

 

これまで私の隣で静かに話を聞いていた友人ナカジマ君がお守りに食いつきました。

ナカジマ君も私と小学生からの付き合いのある友人で今でも遊んだりする仲です。

 

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男性「もちろんだよ!」

 

ナカジマ君「それじゃあくれるんだったらくださいよ」

 

男性「今はここになくてね、〇日にこの場所に取りにいかないといけないから送るよ」

 

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ナカジマ君「じゃあいらないです」

 

男性「ああ、そう・・」

 

ナカジマ君の特徴を表現すると「新しいものに好奇心を持つがドライ」でしょうか。

とりあえず触れて、すぐに判断します。

盛り上がりそうな話題はあっという間に終了してしまいました。一刀両断です。

 

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・・・・

 

部屋に再び沈黙が流れます。

 

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「それじゃあ君はお守りどうかな!」

 

男性は私の方にくるっと顔を向けて言いました。

私の目には標的を変更した獣の様に見えました。

 

ナカジマ君なんてことをするんだ。

 

色々な人の考え方があると思うのですが、私はお守りは持ち歩かない人間なのです。

それには理由があります。

 ここで少し私について話をさせて下さい。

 

私の価値観

過去の記事「波瀾万丈な自分の人生を振り返る。」で書いた様に

私は中学生時代に壮絶ないじめにあい、自殺を決意したことがあります。

taf.hatenablog.jp

 

最終的に私は生きることを選んだのですが、

この時両親先生は助けてはもらえませんでした。

そして中学生時代、私は陸上部に入っていました。

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私は選手としてはやや速い選手程度のだったのですが、

私にとって陸上は生きがいとも言えるほど大好きな存在でした。

陸上競技は才能の差はあれど、汗を流した分だけ強くなる。

自分の努力で自己ベストを更新した快感は何よりも勝るものでした。

 

この二つの経験から自然と

「世の中は残酷で誰も自分のことを助けてはくれない。

自分のことは自分で何とかしないといけない」

そんな考えになっていたのです。

 

心に響かなかった

 

真剣に語る男性には悪く感じましたが、私には不要なものでした。

そのため私はいじめのことは流石に伏せましたが、陸上の話をした後に、

 

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「なのでこのお守りは必要ないです。」

 

謹んでお断りしました。

 

男性「でもね、もし君がこのお守りを持っていたらもっと速く走れていたのかもしれないよ!」

 

私「え?」

 

男性「だって、君はそれだけ頑張れたんだから、もしお守りを持っていたらもっと速く走ることができたはずだよ!」

 

私「ちょっと待って下さい。お守り一つで速く走れる程陸上は甘くないです。」

 

男性「そんなことないよ!」

 

しばらく私と男性の押し問答になりました。

男性の目には迷いはありません。

きっと私に一生懸命お守りを魅力を伝えようとしていたと思います。ですが、

私はどうしても「お守りを持っていたらもっと速く走れていた」という言葉が引っ掛かったのです。

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決して誇張ではなく陸上競技は甘い世界ではないのです。

努力が必ず報われることは決してなく、身長、才能という壁が立ちはだかります。

ストイックさが求められる世界なのです。

 

 私「当時の努力があったからこそ今の自分があると思っています。お守りがあったら結果がもっと良くなっていたとは思えないです。」

 

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男性「君が自分のことをそこまで思えるのは本当に素晴らしいことだと思うよ。でもね、この先君の力だけではできないことにぶつかるよ。その時のためにこのお守りを持っておいてもらいたいんだ。」

 

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私「すみません、僕は自分の力を信じているので結構です。それに例え自分にできないことにぶつかったとしても、それは自分の運命として僕は受け入れます。」

 

男性「・・・」

 

男性は返す言葉が見当たらないようでした。

私はこの時ここへ連れてきて、何も話さないヒロ君やこの男性に対しての苛立ちが募っていました。

そしてお守りをしきりに勧める男性にも宗教の勧誘開運商法みたいなのを感じたのもありました。

本能的にここにいるのは危険と思ったのです。

 

私「なあ、もう帰ろうよ。すみません、帰ります。お邪魔しました」

 

私は立ち上げると友人とヒロ君に声をかけて途中で話を終了して部屋を出ました。

 

私「早く行こう!」

 

私は自転車に乗って真っ先に家を後にしました。

一刻も早くこの場所から離れたかったのです。

 

帰り道の途中

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ヒロ君「二人とも・・ごめん」

 

ヒロ君が私とナカジマ君に謝りました。

 

私「あのさ・・こういうのは勘弁してもらえると助かる」

ナカジマ君「俺も」

 

ヒロ君「分かった・・」

 

三人とも長い付き合いです。怒鳴り散らしたりはしません。

私とナカジマ君はヒロ君にやんわりと伝えました。

 

ヒロ君のその後

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しばらくしてヒロ君の部屋には知らぬ間に小さな仏壇が置かれて、

決まった時間になると大声でお経を唱えるようになりました。

ヒロ君曰く唱えないといけないらしいです。

そしてあの男性は新興宗教の信者でヒロ君は勧誘されたことが分かりました。

 

ヒロ君は普段内向的で物静かな性格なのですが

そのヒロ君が大声でお経を唱える様子を傍から見ていた私は怖かったです。

他にも信者の人がヒロ君の家に来るようになり、自然とヒロ君とは疎遠になるようになりました。

 

数か月後

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久しぶりにヒロ君の家に行くと以前は綺麗に置かれていた仏壇

乱雑に倒れていました。信者の人もこなくなっていました。

 

何があったのヒロ?

 

ヒロ君に聞きたい衝動に駆られましたが、

新興宗教の話については触れてはいけない気がして聞きはしませんでした。

なのでそれについては今となっても分かりません。

 

最後に

今振り返ったとしてもヒロ君は悪気はなかったと思います。

むしろ良かれと思って私とナカジマ君を案内してきてくれたと。

それだけに私は何かやるせない気持ちになりました。

 

当時私は男性の考えを受け入れることはできなかったですが、

真剣に語る男性の何かの力を借りたり、すがりたい気持ちは分かります。

 

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人間は孤独です。

社会に出ると楽しいことよりも辛いことの方が多いように私は思います。

それでも生きていかなければならないのです。

 

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そんな気持ちが弱くなっている時に手を差し伸べられたら、

心が揺り動かされるのではないでしょうか。

そして揺り動かされたこと、すがることは一概に悪いことではないと思います。

この一件は人によって「色々な形がある」

そう考えさせられる出来事でした。

 

おわり

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