天才が凡人に出会った。

読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

凡人が天才に出会った。

過重労働・ブラック企業・ヒット商品の開発・独立。波瀾万丈の人生を歩んだフリーランスがこれまでの人生を振り返ります。

社長の一言から残業時間が激減した話

この話は私が総合通販の会社に就職していた頃のお話です。

時系列としては前回の記事のマツオカさんが入社する前の話になります。

この会社では9時30~18時30分が勤務時間です。

ある日の夜

f:id:TAF:20170203145644j:plain

いつも通りに仕事をしていると

20時30分を過ぎた頃、社長が慌てた様子で

「あー、あれ忘れてたなー」と社長が会社にやってきたのです。

 

社長は社内に入るなり、入り口に一番近い私に詰め寄り、

「TAF君、君はいつもこんな時間まで仕事をしているのか。」と言いました。

 

(え、どういうこと・・?)

 私は状況がよく分かりませんでした。社長の話云々よりも

 f:id:TAF:20170203145641j:plain

(何で社長がこんな時間に会社に来てるんだろう?)

 

こんな疑問が真っ先に頭に浮かびました。

この会社では基本的に毎日

社長は昼過ぎから夕方には会社を出ていなくなります。

従業員は社長がどこで何をしているかは全く分かりませんでした。

そんな社長が夜に会社にやってきたのです。

 

私は「(何で?)」という気持ちを抑えながら、 

「は、はい。大体いつもこの時間帯まで仕事してます。

私は早い方ですけど・・」と答えました。

※当時私は1日1時間半~2時間くらい、月平均で30時間~40時間程残業していました。

 

「これで早い方って・・」驚いた様子でした。

 

そして社長は営業部署の方にずんずんと歩いていき同じように

「君はいつもこんな時間まで仕事をしているのか!」と聞いていました。

 

営業さんは、

「ええ、そうですね。今日はもう少しやることがあるので・・

そうですね、9時半には退社できそうです。」淡々と答えていました。

「9時半って・・」

 その後社長は近くの社員に順番に声をかけていました。

皆同じように答えると4人目に声をかけ終えたあたりで

 

「専務!専務はどこや!」

静かな社内に怒号が響きました。

社長は「温和な人」なイメージがぴったりの人で

私は怒ったところを見たことがありません。全社員がビクッとしました。

 

すると奥の方から専務が出てきて、

「あ、社長、お疲れ様です。こんな時間に珍しいですね。どうされました?」

社長に声をかけました。

 

社長は静かに

「専務、ちょっとこっちに来なさい」廊下に来るように促しました。 

 

位置関係が生んだ偶然

 f:id:TAF:20170203152606j:plain

ざっくり書くとこのような位置関係です。壁と壁の間に遮るものはありません。

 

社長は専務を連れて行くと仕事スペースを出てすぐの場所で

話を始めました。

社長と専務は小さい声で話してはいましたが、

位置の関係上会話の殆どは自然と私の耳に入ってきました。  

 

社長と専務の会話

 

そこからはまさに押し問答の様に

 

社長「専務、彼らはいつもこんな時間まで残業してるのか」

専務「ええ、そうですよ」

社長「君は部下たちが夜遅くまで仕事をしているのを見て何も思わないのか」

専務「思うのも何も彼らが自らの意思で自主的に残ってるだけですよ。

それに自分の仕事が終わったら各々勝手に帰ると思いますよ」

社長「はぁ・・(ため息)君は分かってないな。

そこは部下たちに一言「早く帰れよ」とか声掛けするのが君の仕事だろう」

専務「ええ!?私がそこまでしないといけないんですか!?」

社長「あのな、部下ってのはな、上司が残ってたら上司より先に帰るってのは勇気がいるんや」

専務「いや、彼らは子供じゃないんですよ、いい歳をした大人です。

それくらいできるでしょう!?」

 社長「それが出来ないからこうして問題になってるんじゃないのか?

・・どうやら君には分からないみたいやな」

 

こんなやりとりが続き、社長はしばらく黙った後に、解決策を提案しました。 

 

社長の考え

 f:id:TAF:20170203150955j:plain

もう、君には任せられん。まずは社会労務士を呼んで勤務状況を整理してもらう。

そして人を・・そうやな。人を3人入れる。

それで労働状況を良くして残業時間を減らすぞ!」

社長は2つの考えを出しました。

 

当時の私は「社会労務士」という職業は聞いたことがある程度で詳しくは知りませんで

した。なので正直なところ、この時の私は

f:id:TAF:20170203151507j:plain

何か凄そうな職業程度の認識でした(お恥ずかしい限りです)

 

そして社長と専務の話はヒートアップしていきます。

 

専務「社長待って下さい。社会労務士を呼ぶのは分かりました。

しかし、新たに人を入れたらコストがかかります。人は入れるべきじゃないです」

専務は食い下がります。必死なのが私にも伝わってきました。

 

しばらく、

社長「人を入れる」

専務「コストがかかります、やめましょう」

のやりとりが何度も続き、その後に

 

社長「君がそこまで言うなら分かった、それなら

1度先月のでいいから全社員の残業代の合計を計算して俺に教えてくれるか」

専務「え、先月のですか?」

 

専務は一度社内に戻ると電卓を片手に書類の束を持って社長のところに戻りました。

 f:id:TAF:20170203151033j:plain

専務「これが先月の全社員の残業代の合計です」

社長「君はさっきから何度もコストコストって繰り返してるけどな、

この残業代が一番のコストじゃないのか」

専務「・・・・・」

 

この社長の言葉に専務は何も言えなくなりました。

その日を境に社長の一言から始まった話は実行に移されます。

 

●社会労務士を呼ぶ

私は席を外していたのですが、数日後に社会労務士が会社を訪れ、

助言をしていったそうです。

それにより基本定時18時30分退社、遅くとも19時には退社するようにと

全社員に指示がありました。

 

●人を3人入れる

実際は2人の新入社員が雇用されました。

後に聞くと専務が最後まで主張をし続けた結果、2人になったそうです。

2人は不足していると思われる部署に配属されました。

 

そして、何より専務が変わりました。

毎日定時の18時30分を過ぎると、

f:id:TAF:20170201192345j:plain

「えー、皆、定時になったからな、仕事が終わった者は早く帰れよー」

 

大きな周りに言いながら専務が一番最初に退社するようになりました。

 

(・・物凄くぎこちないです)

 

社長とあれだけ言い争っていた専務からすれば、

本心ではなかったと思います。

 

それでも、管理職の一言は大きいものです。

実際上司に「早く帰れよ」と言われてしまうと残りにくいものです。

私も「(早くしないと!)」と焦ったのを覚えています。

各自自分の仕事の段取りをつけて、随時退社するようになりました。

 

その結果

 

全社員残業は基本なし、多くても1時間程度になりました。

私の場合、月平均30時間~40時間月平均5時間~10時間になりました。

 

実のところ私はこの一連の流れをどこか達観していました。

それは前の会社で残業時間40時間を経験しているので、体が慣れてしまっていたのです。

 

しかし、実際に残業時間が減ると家に帰ってからも寝るまでに時間の余裕ができます。

家に帰って、

 

(あ、まだこんなに時間あるのか)

 

と得をしたような気持ちになりました。

体にも疲れが溜まっていないのが体感的にも分かりました。

何か1時間くらいの趣味が余裕でできそうです。

(実際にこのことがきっかけに私はある趣味を始めます。)

 

残業時間が減ったことにより、仕事に支障がでることもなく、

社長の一言から始まった改革大成功を収めます。

 

私はこの時、社長への感謝もありましたが、時間の大切さを学びました。

人間時間に余裕ができると心に余裕がもてるような気がします。

私にとって仕事に対する価値観が変わったきっかけにもなりました。

時間を大切にして日々を過ごしていきたいものですね。

 

おわり

広告を非表示にする