天才が凡人に出会った。

凡人が天才に出会った。

過重労働・ブラック企業・ヒット商品の開発・独立。波瀾万丈の人生を歩んだフリーランスがこれまでの人生を振り返ります。

無能の烙印を押された私が大ヒット商品を開発する話。その2「マツオカさんの告白」

▼この記事はこちらの記事の続きになります。 

taf.hatenablog.jp

 

マツオカさんの告白

f:id:TAF:20170127142653j:plain

マツオカさんにお昼に誘われた私は、お気に入りの和食のお店に向かいました。

このお店はオフィス街の中にある隠れ家的なお店。

大きなビルの裏にある目につきにくい場所にあります。

料亭の様な雰囲気を持ち、白い調理服を来た料理人が

新鮮な肉や魚を中心に、煮たり、焼いたり、天ぷらも一つ一つ揚げてくれます。

味はもちろんのこと、食材を切る包丁の音、魚を焼く音、油で揚げる音も心地良く、

気持ちが落ち着ける私のお気に入りのお店です。

 

席につき、注文を済ませるとマツオカさんは

「TAF君は俺がこの会社に来た話って社長とか専務さんから聞いてる?」と言いました。

 

私が全く何も聞いてないことを伝えると、

 

「そうか・・それじゃあ先に俺がこの会社に入った経緯から話そうか」

 お茶を少し口にしてからマツオカさんは話し始めました。

 

マツオカさんの入社の経緯

f:id:TAF:20170127143258j:plain

マツオカさんは、前職の会社で商品の仕入れを担当していたそうです。

充実した毎日を送っていたのですが、

ある日、いつもの様に家から会社に出勤すると会社のシャッターが閉まっていて

社内に入ることができず、最初は何が起こったのか分からなかったそうです。

後に取引先が原因により倒産、会社そのものがなくなっていたそうです。

 

マツオカさんはご結婚されていて、子供さんもいます。

当時は「これからどうすれば良いんだ・・」と途方に暮れたそうです。

 

そんなある日、以前面識があった今の会社の社長からたまたま連絡があったそうです。

マツオカさんが事情を話すと社長が「だったらもしよければウチで働きませんか」

と助け船を出され、そして入社に至ったそうです。

 

「今の俺がいるのは社長のおかげやねん。

だから俺は社長に対して本当に感謝してるし、力になりたいと思ってるんや。」

 

マツオカさんは時より何かを噛みしめるように話しているようでした。

 

専務とのお昼の出来事

 

マツオカさんは続けて話します。

「昨日な、専務さんからお昼に誘われたから一緒に行ってな、

仕事の話とかしてきたんやけど、専務さんTAF君のこそボロカスに言ってたぞ。」

 

私は大体予想がついていました。ああ、きっとそうだなと。

「ああ・・でもしょうがないですよ。実際売上出してませんし、そんな」

 

その時マツオカさんは 私の発言を遮るように手を前に出しながら

いいや、TAF君そんなことないぞ そう言いました。

 

マツオカさんは熱い人だった

 

私が一瞬驚き話すのを止めるとマツオカさんは手を元に戻し、

私に語りかけるように話を続けました。

 

「あんなもんはな、人の上に立つ人間の指導でもなんでもない、唯の嫌がらせや。

それにな、俺はTAF君と一緒に仕事してて思ったんや。

TAF君みたいにな、一生懸命真面目に仕事している人間が報われるような世の中にしなあかん。

そしてそんな世の中に変えていくのが俺たちみたいな人世代上の人間の役割なんや。

 

マツオカさん曰く、専務は数字以外にも学歴や性格、出身にも触れて、

もはや人格批判になっていたらしいです。

 そしてマツオカさんはおもむろに名刺を収納するファイルを出しました。

ファイルには名刺がぎっしりと入っているのが私からでも見えました。

 

俺は仕入れのプロや。北は北海道から南は沖縄まで全国を歩き回った。

だからTAF君が売りたい物があったら何でも言ってくれ。

俺がどんなものでも見つけてきたる!それでな、

俺とTAF君の2人ですげえヒット商品を作って上の人間をぎゃふんと言わせてやろうぜ!」

マツオカさんは最後に力強く私に呼びかけました。

 

私はてっきり同情して優しい言葉でもかけてくれるだろうと思っていたので、

予想外の答えに驚きました。

後、「ぎゃふんと言われてやろう」なんて言葉を実際に聞くことがあろうとは。

 

学生時代いじめられっ子の私は小言を言われたり迫害されたりは慣れたものですが、

決して気持ちの良いものではありません。

そしてそれは同調する人間が増えれば増えるほど大きくなっていきます。

専務の意図は分かりませんが、社長のコネで入社したマツオカさんを仲間に引き入れようとしたのでしょうか。

ところがそれがかえってマツオカさんの闘志に火をつけてしまった。

 

マツオカさんは私からの言葉を待っているようでした。 

f:id:TAF:20170127150717j:plain

私はその時自然と目線を少し下に下げていました。

今まで現状を打破しようと日々悩み、試行錯誤を繰り返してきた。

しかし、結果が出ずに1年が過ぎていた。

知らぬ間に心のどこかで何か変わるきっかけが来ることを望んでいたのかもしれない。

今目の前にはそんな出来事が実際に起こっている。

私の考えを理解して一緒に頑張ろうと呼び掛けてくれている人がいる。

今がその時なのかもしれない。

いや、きっとそうなのだろう。

 

私は一度下げた目線を元に戻して、

「・・分かりました、力を合わせて頑張りましょう」

 

こんな時に使う言葉なのでしょうか。私はこの時涙が出るほど嬉しかったです。

このお昼をきっかけに私とマツオカさんは意気投合します。 

f:id:TAF:20170127145016j:plain

この日以降、私はお昼はほぼ毎日マツオカさんとお昼に行くようになりました。

私はネット・雑誌・マツオカさんは人脈を通じて情報を集め、

お昼を食べながら企画の話や情報交換を行うようになりました。  

 

 現実は・・

 

さて、ここでいきなり大ヒット商品を開発すれば、

このブログ記事の「無能の烙印を押された私が大ヒット商品を開発する話」も

綺麗なお話になると思います。しかし、現実はそんなに甘くありません。

私とマツオカさんが企画した商品はお世辞にも大ヒットとは言えない

小ヒット、あるいは殆ど売れない状況が続きます。

参考までに下記に私達が手掛けた商品の一部を掲載します。

  • 紅はるかの加工商品
  • 干し芋
  • アサイベリーの加工商品
  • ブランド卵を使ったカステラ
  • ブランド豚を使ったソーセージ

紅はるかは今となってはスーパーやコンビニのプリンに、

アサイベリーグラノーラやサプリ等で見かける様になりましたが、

当時は誰も知らない商材でした。

 

前回の日記で書きました

・商品の値段:他店舗より高い

・送料:全国一律1000円・送料無料にはならない

・注文から発送まで:注文してから2週間前後でお届け

・原則同梱できない

私のネットショップは商品価格・送料の等条件が厳しいです。

 

そのため、私とマツオカさんに課せられたミッションは

商品価格や送料すら気にならないほど買いたくなるような

「強い商品力を兼ね揃えた商品」を生み出さなければならないのです。 

 

マツオカさんは 口癖のように

「良い商品なんやけどなぁ・・」と呟いていました。

私も「そうですね・・」と相槌を打ち、二人で日々頭を抱えていました。

 

 一本の電話

 

そんなある日いつもの様に仕事をしていると、

マツオカさん宛に一本の電話が鳴りました。

f:id:TAF:20170127144312j:plain

マツオカさんは受話器を取り「あー!どうもお世話になってますー!」

 

元気よく話しています。取引先のようです。

マツオカさんの席は私の席の隣でいつもみかける光景です。

しかし途中で、

 

「え?いや、それって、ホントですか?」

 

突然マツオカさんの口調が変わりました。

 

この一本の電話が私たちの運命を変えることになります。

 

つづく

広告を非表示にする