天才が凡人に出会った。

読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

凡人が天才に出会った。

過重労働・ブラック企業・ヒット商品の開発・独立。波瀾万丈の人生を歩んだフリーランスがこれまでの人生を振り返ります。

もはやアニメは倍速で見なければならないのかもしれない。

コラム 現在

私は日常的にアニメを見るのですが、最近よく思う。

放送しているアニメ多すぎなんじゃないかと。

 

2017年3月現在

私が視聴しているアニメを箇条書きにしてみました。

 

3月のライオン

亜人ちゃんは語りたい

ひだまりスケッチ×ハニカム

うらら迷路超

セイレン

ドラゴンボール超(スーパー)

機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ

リトルウィッチアカデミア

政宗くんのリベンジ

タイガーマスク

ガヴリールドロップアウト

幼女戦記

銀魂

南鎌倉高校女子自転車部

この素晴らしい世界に祝福を!2

BanGDream!(バンドリ)

けものフレンズ

ACCA13区監察課

小林さんちのメイドラゴン

弱虫ペダルNEWGENERATION

クズの本懐

 

合計21本

今まで漠然と結構見ているなーと思っていたが、

いざ数えてみるとやはり多すぎである。こんなに見ていたのか・・。

 

現在はフリーランスなので休憩時間にご飯を食べながら見ることが出来ましたが、

会社員時代の頃は平日に数本見て休みの日にまとめて見るため流石に消化しきれません。

現在の録画ソフトのスケジュールでは日曜日はアニメを6本見なければなりません。

これは個人の感じ方にもよりますが、アニメを1日に6本見るのは辛いです。

趣味であるアニメ視聴が辛いと感じてしまうのはどこか悲しいです。

こんな時「いや、見るアニメの数を減らしたらいいじゃないか」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、この21本どれも私の中では面白く、どのアニメも見逃せないのです。

 

実はアニメ視聴に関して効率的に消化する方法があります。

それは倍速で見ることです。

 

私がアニメ視聴に使用しているソフトのナスネ・トルネは

倍速(1.2倍~)に設定することにより等速より速い倍速で録画した作品を視聴することができます。

私はアニメ以外にもドキュメンタリー番組(1時間)を見るのですが

ドキュメンタリー番組に関しては内容・物語を知ることが目的なので1.3倍速で見ています。

 

それならば、アニメも倍速で見れば効率的に見ることが出来るのですが、

私の場合、アニメは物語はさることながら、

キャラクターを演じる声優の演技に胸が熱くなったり、感動したりするのです。

一度試しに倍速で見たこともありましたが、味気なく、

不自然に早口で話すキャラクターが違和感があり過ぎて受け付けませんでした。

 

また、現在のアニメは昔に比べて尺の関係か情報量が物凄く凝縮されています。

 

数秒の出来事

 

最近のとあるアニメを見ている時の経験ですが、

 

あるシーンで敵に捕まったヒロインを主人公がロボットに乗って助けにきました。

 

1:ロボットで空からヒロインの元に向かう主人公がヒロインの名前を叫ぶ

2:ヒロインが主人公の名前を呼ぶ

 

私はこの時ジャンプを読んでいたので、何となしにジャンプを読んで、

再び目線を画面に戻すと、

主人公はヒロインをロボットの手のひらに乗せて飛び立っていました。

 

ええ!早すぎ!

 

びっくりしました。何せ自分の中での数秒の出来事だったのです。

そんなに時間経ってたのか・・?

物凄く気になったのでそのシーンを15秒巻き戻して計ってみました。

すると私がジャンプを読んで画面を見るまでの時間は2秒でした。

 

1:ロボットで空からヒロインの元に向かう主人公がヒロインの名前を叫ぶ

2:ヒロインが主人公の名前を呼ぶ

3:主人公がヒロインをロボットの手のひらに乗せて脱出

 

このアニメはここまでの一連の動作を2秒で行っていたのです。

 

2秒に収めたスタッフさんの技術も凄いのですが、

私はこの経験からもはやアニメはながらで見るものではなく、

全力で食い入るように見なければならないなと認識を改めました。

 

そしてこのブログを書きながら思ったのですが

そもそもアニメ視聴が辛いので効率的に消化するという表現を自分が使っていることそのものが、

自分がアニメを見ることに対して疲れ、嫌気を感じていることを実感しました。 

しかし、私はこんな時、決まって思うのです。

「昔はこんなことなかった」と。

そこで一度自分の現在と昔のアニメ視聴環境の比較をしてみました。

 

現在と昔の視聴環境の比較

 

・見ていたアニメの本数

ここで私が学生時代に見ていたを振り返ってみます。

※放送していた時系列はばらばらです。

 

月曜日:金田一少年の事件簿名探偵コナン

火曜日:サザエさん

水曜日:ドラゴンボール

木曜日:ポケットモンスター魔法陣グルグル

金曜日:スレイヤーズドラえもん

土曜日:YAT安心!宇宙旅行カレイドスター

日曜日:ちびまる子ちゃんサザエさん、こちら葛飾区亀有公園前派出署、世界名作劇場

 

思い出しながら書いてみましたが14本でした。

1日平均1-2本、意外と見ています。

現在と昔で唯一違う点は昔はほぼリアルタイムで見ていました。

もちろん録画(当時はVHSビデオテープ)する時もありましたが、

殆どはその日放送されたアニメをその日に見ていました。

そのため、溜まることがない、これも大きいと思います。 

 

・国民的アニメの存在

そして、次に国民的アニメ(1話完結もの)が一定数ありました。

これは当時習慣的に見ていたのでそれほど見るのに重視するものではなく、

漫画を見ながら見るいわゆる「ながら作業」で見ていました。

 

・基本的に2クール話数が24話以上あるものが殆ど

スレイヤーズドラゴンボールを例にすると

 

スレイヤーズ:全26話

スレイヤーズNEXT:全26話

スレイヤーズTRY:全26話

方陣グルグル:全46話

 

ある程度ストーリー進行はあるものの、時にはストーリーが全く進まない

ギャグ回みたいな回がありました。正直見なくても大丈夫な回です。

それもあって見ていてゆったりしてるなという印象があります。

そう考えると今のアニメの1クールのアニメは単純計算で半分の話で情報を視聴者に伝える必要があるので情報が凝縮されるのも致し方がないのかもしれません。

 

今はナスネ等自動で録画するソフトがある便利な時代になりました。

私は普段夜12時30分には寝るようにしているのですが、

私が寝ている間にも優秀な録画ソフトは機械的にどんどん録画していきます。

どの作品も大好きな作品です。これだけの数の作品が各クールごとに入れ替わり、

常に放送され続けて見ることが出来るのは幸せなことかもしれません。

しかし、どこか私は「もっとアニメは気軽に見るものじゃないのか」と思ってしまうのです。

本数が増えても面白さは今も昔も変わりません。

今は本数に悩まされていますが、何とかアニメは等速、通常の速さで見続けようと思います。

 

今日はこれまでで。

ではでは。

20年来の友人に「新興宗教」の信者の家に連れていかれた話。その2(完)

専門学生編

この話はこちらの記事の続きになります。

taf.hatenablog.jp

 

男性が取り出したのはお守りでした。

 

私「これはお守り・・ですか?」

 

男性「うん、そう。僕はこのお守りを常に身に着けているんだけど効くんだよ」

 

男性は至って真剣に話しました。真剣なのは分かるのですが・・

そう話されたところで、

 

(はぁそうなんですかとしか言いようがありません。)

 

男性「是非君達にも持っておいてもらいたいんだ」

 

男性は私達にお守りを持つことを薦めてきました。

私はぽかーんとしていると、 

f:id:TAF:20170222140000j:plain

?「そのお守りそんなに凄いんですか?」

 

これまで私の隣で静かに話を聞いていた友人ナカジマ君がお守りに食いつきました。

ナカジマ君も私と小学生からの付き合いのある友人で今でも遊んだりする仲です。

 

f:id:TAF:20170220161943j:plain

男性「もちろんだよ!」

 

ナカジマ君「それじゃあくれるんだったらくださいよ」

 

男性「今はここになくてね、〇日にこの場所に取りにいかないといけないから送るよ」

 

 f:id:TAF:20170222140019j:plain

ナカジマ君「じゃあいらないです」

 

男性「ああ、そう・・」

 

ナカジマ君の特徴を表現すると「新しいものに好奇心を持つがドライ」でしょうか。

とりあえず触れて、すぐに判断します。

盛り上がりそうな話題はあっという間に終了してしまいました。一刀両断です。

 

f:id:TAF:20170220161821j:plain

・・・・

 

部屋に再び沈黙が流れます。

 

f:id:TAF:20170220161725j:plain

「それじゃあ君はお守りどうかな!」

 

男性は私の方にくるっと顔を向けて言いました。

私の目には標的を変更した獣の様に見えました。

 

ナカジマ君なんてことをするんだ。

 

色々な人の考え方があると思うのですが、私はお守りは持ち歩かない人間なのです。

それには理由があります。

 ここで少し私について話をさせて下さい。

 

私の価値観

過去の記事「波瀾万丈な自分の人生を振り返る。」で書いた様に

私は中学生時代に壮絶ないじめにあい、自殺を決意したことがあります。

taf.hatenablog.jp

 

最終的に私は生きることを選んだのですが、

この時両親先生は助けてはもらえませんでした。

そして中学生時代、私は陸上部に入っていました。

f:id:TAF:20170222140640j:plain

私は選手としてはやや速い選手程度のだったのですが、

私にとって陸上は生きがいとも言えるほど大好きな存在でした。

陸上競技は才能の差はあれど、汗を流した分だけ強くなる。

自分の努力で自己ベストを更新した快感は何よりも勝るものでした。

 

この二つの経験から自然と

「世の中は残酷で誰も自分のことを助けてはくれない。

自分のことは自分で何とかしないといけない」

そんな考えになっていたのです。

 

心に響かなかった

 

真剣に語る男性には悪く感じましたが、私には不要なものでした。

そのため私はいじめのことは流石に伏せましたが、陸上の話をした後に、

 

f:id:TAF:20170222142619j:plain

「なのでこのお守りは必要ないです。」

 

謹んでお断りしました。

 

男性「でもね、もし君がこのお守りを持っていたらもっと速く走れていたのかもしれないよ!」

 

私「え?」

 

男性「だって、君はそれだけ頑張れたんだから、もしお守りを持っていたらもっと速く走ることができたはずだよ!」

 

私「ちょっと待って下さい。お守り一つで速く走れる程陸上は甘くないです。」

 

男性「そんなことないよ!」

 

しばらく私と男性の押し問答になりました。

男性の目には迷いはありません。

きっと私に一生懸命お守りを魅力を伝えようとしていたと思います。ですが、

私はどうしても「お守りを持っていたらもっと速く走れていた」という言葉が引っ掛かったのです。

f:id:TAF:20170222142134j:plain

決して誇張ではなく陸上競技は甘い世界ではないのです。

努力が必ず報われることは決してなく、身長、才能という壁が立ちはだかります。

ストイックさが求められる世界なのです。

 

 私「当時の努力があったからこそ今の自分があると思っています。お守りがあったら結果がもっと良くなっていたとは思えないです。」

 

f:id:TAF:20170220161725j:plain

男性「君が自分のことをそこまで思えるのは本当に素晴らしいことだと思うよ。でもね、この先君の力だけではできないことにぶつかるよ。その時のためにこのお守りを持っておいてもらいたいんだ。」

 

f:id:TAF:20170222142619j:plain

私「すみません、僕は自分の力を信じているので結構です。それに例え自分にできないことにぶつかったとしても、それは自分の運命として僕は受け入れます。」

 

男性「・・・」

 

男性は返す言葉が見当たらないようでした。

私はこの時ここへ連れてきて、何も話さないヒロ君やこの男性に対しての苛立ちが募っていました。

そしてお守りをしきりに勧める男性にも宗教の勧誘開運商法みたいなのを感じたのもありました。

本能的にここにいるのは危険と思ったのです。

 

私「なあ、もう帰ろうよ。すみません、帰ります。お邪魔しました」

 

私は立ち上げると友人とヒロ君に声をかけて途中で話を終了して部屋を出ました。

 

私「早く行こう!」

 

私は自転車に乗って真っ先に家を後にしました。

一刻も早くこの場所から離れたかったのです。

 

帰り道の途中

f:id:TAF:20170220162846j:plain 

ヒロ君「二人とも・・ごめん」

 

ヒロ君が私とナカジマ君に謝りました。

 

私「あのさ・・こういうのは勘弁してもらえると助かる」

ナカジマ君「俺も」

 

ヒロ君「分かった・・」

 

三人とも長い付き合いです。怒鳴り散らしたりはしません。

私とナカジマ君はヒロ君にやんわりと伝えました。

 

ヒロ君のその後

 f:id:TAF:20170222141731p:plain

しばらくしてヒロ君の部屋には知らぬ間に小さな仏壇が置かれて、

決まった時間になると大声でお経を唱えるようになりました。

ヒロ君曰く唱えないといけないらしいです。

そしてあの男性は新興宗教の信者でヒロ君は勧誘されたことが分かりました。

 

ヒロ君は普段内向的で物静かな性格なのですが

そのヒロ君が大声でお経を唱える様子を傍から見ていた私は怖かったです。

他にも信者の人がヒロ君の家に来るようになり、自然とヒロ君とは疎遠になるようになりました。

 

数か月後

f:id:TAF:20170220161200p:plain

久しぶりにヒロ君の家に行くと以前は綺麗に置かれていた仏壇

乱雑に倒れていました。信者の人もこなくなっていました。

 

何があったのヒロ?

 

ヒロ君に聞きたい衝動に駆られましたが、

新興宗教の話については触れてはいけない気がして聞きはしませんでした。

なのでそれについては今となっても分かりません。

 

最後に

今振り返ったとしてもヒロ君は悪気はなかったと思います。

むしろ良かれと思って私とナカジマ君を案内してきてくれたと。

それだけに私は何かやるせない気持ちになりました。

 

当時私は男性の考えを受け入れることはできなかったですが、

真剣に語る男性の何かの力を借りたり、すがりたい気持ちは分かります。

 

f:id:TAF:20170222140718j:plain

人間は孤独です。

社会に出ると楽しいことよりも辛いことの方が多いように私は思います。

それでも生きていかなければならないのです。

 

f:id:TAF:20170222140751j:plain

そんな気持ちが弱くなっている時に手を差し伸べられたら、

心が揺り動かされるのではないでしょうか。

そして揺り動かされたこと、すがることは一概に悪いことではないと思います。

この一件は人によって「色々な形がある」

そう考えさせられる出来事でした。

 

おわり

20年来の友人に「新興宗教」の信者の家に連れていかれた話。その1

専門学生編

私には小学生からの付き合いの20年来の友人(ヒロ君)がいます。

ヒロ君とは良い意味での非日常体験というのでしょうか。

記憶に残る出来事が沢山ありました。

今回はエピソードの一つをご紹介したいと思います。

時系列としては10年程前のお話になります。

 

いつもの日常

 f:id:TAF:20170220161200p:plain

その日、私と友人はヒロ君の家で遊んでいました。

テレビゲームをしながらだべる、3人のいつもの日常です。

テレビゲームを楽しんでいると

 

「あのさ、2人に会わせたい人がおるんやけど」

 

ヒロ君が急に意味深なことを言いました。

 

私「なんやねん唐突に笑」

友人「どんな人なん?」

 

当然の様に返す私と友人ですが、この時、特に疑ってはいませんでした。

というのも、ヒロ君はいつもこんな感じで私と友人を巻き込んでいく人なのです。

全然知らない人がゲームの達人だったり、マニアックなゲームを持ってきたりは

よく見る光景でした。

それもあってか自然に彼の家にはゲーマーが多数集まるようになっていました。

そんなヒロ君が私達に合わせたい人、どんな人なのかむしろ楽しみなくらいでした。

 

「アーケードの筐体がある人とか?」

「ゲームの達人とか?」

「実はゲーム作ってる人とか?」

 

私はヒロ君に色々聞きましたが

 

「うーん、合えば分かるから」

 

ヒロ君は頑なにどんな人かは話してくれませんでした。

 

「自転車ですぐだからついてきて」

 

f:id:TAF:20170220162846j:plain

 

私と友人はヒロ君の後に続きながら、自転車で進むこと15分、

 

「ついたよ」

 

ある場所でヒロ君は自転車を止めました。

 

案内された場所は・・

f:id:TAF:20170220161226j:plain

見るからに年季の入った文化住宅・アパートでした。

築年数が経っているのかところどころ錆びついています。

 

(何か怖いな・・)

 

古い建物特有の特徴に私は少し不気味さに感じました。

そんな私をさておいて、ヒロ君は1階のある部屋のドアをノックしました。

 

「〇〇〇」

「△△△」

 

何か話しているようでしたが小声のため私と友人には聞こえませんでした。

その後ヒロ君に手招きされ、私と友人は中に案内されました。

 

現れたのは・・

 f:id:TAF:20170220161725j:plain

 

「おお!よく来たね!さあ、座って座って!」

 

私たちを迎えてくれたのは30代の男性でした。

テンションが高く、笑顔だったのが印象的でした。

手慣れた様子で座布団を人数分置いて私達3人は座りました。

私は座布団に座るとさりげなく周りを見渡すと、

f:id:TAF:20170220161821j:plain

部屋は和室、2kで8畳程の広さでした。綺麗に片付いています。

私は一通り見渡すと気づきました。

 

ゲーム機が何処にもありません。

 

私はてっきりゲームに関係する人かと思っていただけに、

 

(この人は何者なんだ・・?)

(ヒロは何のためにこの人に会わせたんだ・・?) 

 

私はヒロ君を横目でちらっと見るもヒロ君は何も話そうとしません。

唯一男性と面識のあるヒロ君が話さないと場がもちません。

・・・・

数秒の沈黙が流れた時、男性が口を開きました。

 

f:id:TAF:20170220161943j:plain

 

「今日は僕が君達について知りたいと思ってきてもらったんだ」

 

男性は私達に今までに体験した楽しいことや辛かったこと

話してほしいと言いました。

 

「ああ、これ食べてね」

 

f:id:TAF:20170220211240j:plain

 

男性は私達の前にせんべいを置きました。

私たちはせんべいをパリパリ食べながら自分の中の体験を話しました。

 

楽しい体験には「そうだったんだねー」「それはよかったね!」

辛い体験には 「それは大変だったね」「辛かったんだね・・」

 

男性はこんな風に返していました。

特に普通の日常会話なのですが、反応が妙にオーバーで

私は(何か独特な人だな)と思いました。

 

私たちの話を一通り聞くと

 

 f:id:TAF:20170220162117j:plain

 

「ところで君達は神様についてどう思う?」と言いました。

 

 「神様についてですか?」

 

私は思わず聞き返しました。

正直なところ最初のやり取りで男性に対して不信感を抱き始めていたのです。

冷静に考えて自分より一回り上の見知らぬ男性の部屋に自分はいて、

神様について尋ねられている。

中々遭遇するような場面ではありません。 それに、

 

(神様についてと言われても・・何を話せというのでしょうか)

 

何か面白い話を話せるわけもないので、私と友人も人並みの認識を話しました。

この時の男性の内容は残念ながら鮮明には覚えていないのですが、

男性も神様について似たような話をしていたと思います。

そして男性としばらく神様について話していると

 

「実は君達に見てもらいたい物があってね」

 

そう話すと男性はポケットをまさぐり、ある物を取り出して私達の前に置きました。 

 

つづく

初めての秋葉原で高級絵画を買わされそうになった話

高校生編

今回は時系列は私が高校生の時初めて東京に行った時の話になります。

2017年現在から15年以上前の話になります。

 

初めての東京観光

f:id:TAF:20170215201717j:plain

私は夜行バスに乗って東京に観光に来ていました。

日本一の電気街とも言われている秋葉原を見てみたい!というのが第一でした。

秋葉原が多く、ビルがとにかく高かったのが印象的でした。

 

大通りをしばらく歩いていると

 

f:id:TAF:20170215201747p:plain

 

「絵画展を見ていきませんか?」

 

女性からポストカードを渡され、声をかけられました。 

女性はバスケットを下げていて、中にはポストカードが沢山入っています。

 

「絵画展・・ですか?」

「はい!中で展示しています。よければ一度ご覧になって下さい!」

 

この時の私の素直な感想は

 f:id:TAF:20170203151507j:plain

 

「(絵画展!大阪では見たことなかったな!やっぱ東京はおしゃれやなー!)」

 

電気街で絵画展とは。日本橋では見たことがありませんでした。

良く言えば純粋でした。変に感動したのを覚えています。 

 

f:id:TAF:20170215201735j:plain

※画像はイメージです。

お店の中を覗いてみると壁に沢山の絵画が飾られていました。

良い雰囲気です。

 

「ええ、いいですよー。」

 

私はポストカードを受け取り建物の中に入ろうとしました。

(入り口から半分くらい足を踏み入れようとしたことをはっきりと覚えています)

 

その時に、ふと

 

(あーでも東京まで来て絵見るのもなぁ・・)

 

実は今回私は1泊2日で東京に来ていてその日は2日目だったにです。

秋葉原に来て15分も経っていません。

この時私は早くお目当てのショップを見たい気持ちが強かったのです。

 

 f:id:TAF:20170215203054j:plain

 

「すいません、やっぱ止めときますわー」

 私は女性に謝るとくるっと体を翻し店の外に出ようとしました。すると

 

f:id:TAF:20170215204041j:plain

 

「え!そ・ん・な・こ・と言わずに!見て・いって・・く・だ・さい・!」

 

女性は私の左腕にいきなりしがみ付き、物凄い力で引き止めにかかりました。

必死です。余りの力に私はバランスを崩しかけました。

表情からは鬼気迫るものを感じます。

 

(この人はなんでこんなに必死なんだろう・・?)

 

私は一度了承したのもあって、女性に対して悪いなと思いながらも、

f:id:TAF:20170215213125j:plain

「すいません、実は東京に観光に来ていて、秋葉原にはついさっき来たばかりなんですよ。

見てみたいところがあるので。絵でしたら他にも好きな人いるでしょうし」

自分の左腕にしがみ付く女性の手を力ずくで振り払って店を後にしました。

  

その後目的のお店を見て歩き、東京旅行を満喫することができました。

 

女性の正体

 f:id:TAF:20170127150717j:plain

 

大阪に帰ってから私の頭の中には一つの疑問が残っていました。

秋葉原で出会ったあの女性は一体何者だったのだろう・・?

私の腕にしがみ付いてきた時の彼女の鬼気迫る表情も相まって気になりました。

 

f:id:TAF:20170201192806j:plain

興味本位でインターネットで何となしに

秋葉原 女性 ポストカード 絵画展」

当時このようなキーワードで検索しました。

 

すると匿名掲示板の一つのスレッドが目に入りました。

 

おい!初めて秋葉原に来る奴はエウリアンに気を付けろ!!!

 

エウリアン

 

聞いたことがない言葉です。

早速スレッドに目を通しました。内容はこうです。

 

f:id:TAF:20170215201747p:plain

 

1:秋葉原のある店の前でポストカードを配っている女性がいる。

女性は現在絵画展を行っていて店内で絵画を見るように勧めてくる。

 

f:id:TAF:20170215210046j:plain

2:店内に入り、ひと通り絵を見ているとある部屋に案内される

 

f:id:TAF:20170215210057p:plain

3:部屋に入れば最後、屈強な男性が入り口を塞ぎ、

高額な絵の購入を勧められ、契約するまで軟禁状態となり閉じ込められる。

 

この絵を無理やり売りつける様から

絵を売る+エイリアンを組み合わせて

エウリアン(絵売りアン)と呼んでいる

 

そしてこのエウリアンによる被害が続出していて、

スレッド内では「100万の絵を買わされた」「50万の絵を買わされた」等

被害報告が次々とされていました。

この被害を防ぐためにスレッドで注意喚起を行っているようでした、

 

そして、スレッドの最後は

 

いいか!絵画を見るように勧められても絶対に中に入るなよ!!

中に入ったら終わりだぞ!!

 

このような一文で締めくくられていました。

 

え・・?

 

私は一瞬寒気を感じました。

 

いやいやいや、一概に秋葉原と言っても広いし、別の場所かもしれないし。

そう思いながらスレッドを読み直していると

 

場所は分かってるから載せておくぞ、この店だ!

スレッド作成主は店の場所だと思われる画像のリンクを貼っていました。

 

・・・

 

f:id:TAF:20170130140556j:plain

 

クリックしてみる。

 

f:id:TAF:20170215201735j:plain

 

 

この場所・・・! 

 

 

画像には店舗の店先の写真が掲載されていました。

間違いありません。私が実際に見た店と全く同じ店でした。

 

 

絶対に中に入るなって?

 

中に入ったら終わり・・?

 

店の中に入りかけたんだけど・・

 

 

じゃ、じゃあもし、あの時引き返さずに店内に入っていたら?

 

f:id:TAF:20170215213856j:plain

 

  私は余りの恐ろしさにしばらく震えていました。

 

 

 

f:id:TAF:20170215201747p:plain

私に声をかけたあの女性の笑顔の下には

「いいカモが来た♪」とか考えていたのでしょうか。

そう考えると彼女の鬼気迫る表情にも納得がいきます。 

 

当時の私には余りにも衝撃的で人間不信になりそうになりました。

なにせ危うく高額な絵画を買わされるところだったのです。

当時高校生の私には50万なんて大金が用意できたとは思えません。

 

1泊2日の2日目であったこと、

秋葉原に来て間もなかったこと、

お目当てのショップに行く前だったこと、

 

いくつもの偶然が重なりあって、難を逃れることができました。

まさに九死に一生の経験でした。

 

今となっては話のネタになっていますが、

当時の経験からなのか、今でも「絵画展」というキーワードには人一倍反応してしまいますね。

ポストカードなんて配っていたら・・なおさらです。

もう絵画展はこりごりです。

 

おわり

けものフレンズを見ていると前向きな気持ちになれる。

現在 コラム

普段日常的にアニメを見ているのですが、

現在放送されている中でも特にけものフレンズが自分の中で急上昇しています。

今回はけものフレンズについて私が感じたお話です。(ネタばれはありません。)

f:id:TAF:20170210195505j:plain

けものフレンズ公式サイトより

kemono-friends.jp

 

正直なところ、1話を見終わった時点では私には響かなかったです。

アニメは結構な本数を視聴しているのもあって、

一度は視聴を止めようかと思っていたのですが、ツイッターのタイムラインで

しばしば目にするようになり、視聴を継続していました。

2話・3話・4話と見ていく内に「うん?」とか「え?」とかを要所要所で感じるシーンがありました。

 

随所に散りばめられた謎 

私自身思わずツイートしたのですが、

けものフレンズの中は基本的にほのぼのとしていて、

不意に気になるキーワードが出てきますが、そのキーワードについては触れません。

そして、キーワードは少しずつ増えていくのです。

しかし、実際にけものフレンズを視聴していて

不思議と「ちゃんと説明してくれよ!」とはならないのです。 

聞いた直後は「ふーん」「へぇー」で、そのあとに「うん?」と感じます。

私の場合、出てきたキーワードが頭の中にストックされていくような感覚で、

推理ゲームの証拠品や手がかりを探している感覚に近いです。

先の展開が全く予想がつかないアニメ、こんなに魅力的なものはありません。 

 

やってみよう精神

 

けものフレンズの作中、相手が「〇〇したい」と話すと

すかさず「それじゃあやってみようよ!」とか「どうすればできるかな?」

なんて前向きな会話が始まります。

私の場合実生活で仕事仲間や友人と「〇〇したいな」なんて話をすると

「でも□□だしな」とか「△△だし止めておこう」なんて後ろ向きな会話をしてしまいがちです。

このやってみよう精神は見ていて気持ちが良いです。

 

何気ない台詞

 

 けものフレンズのシーンの中でしばしばサーバルキャットのサーバル

「すごーい!」・「たーのしー!」と話すシーンが見られます。

この台詞自体はキャラクターのその時その時の率直な感想なのですが、

私はこの何気ないシーンを何度か見て聞いていく内に、ふと

そういえば最近「凄い」とか「楽しい」て言葉話したかな?と思いました。

 

「癒し」よりは「励まし」に近い

 

人は成人を迎え、いざ社会に飛び出していくと、仕事中心の生活になりがちです。

ブラック企業・過重労働という言葉を目にすることも少なくありません。

現代人は心身ともに疲れています。

 

そんな時、自然と癒しを求めてしまうのですが、

私はけものフレンズは現代人の「癒し」よりは「励まし」に近いと思います。

承認欲求という言葉がありますが、 

けものフレンズ「すごーい!」や「たーのしー!」は、

真っすぐな承認、例えるならば承認直球とでも言うのでしょうか、

 

自分が凄いと思ったら   「凄い!」

自分が楽しいと思ったら「楽しい!」

 

この感覚は忘れていた子供の感性なのではないでしょうか。

子供の頃は素直に口にしていた言葉が、

仕事をしていく内に自然と口にする機会が減ってしまった気がします。

大人になったとも言えますが私はどこか寂しく思います。

 

傍から見ればくだらない、しょうもない話なのかもしれませんが、

サーバルキャットサーバルが「すごーい」「たーのしー」と話しているシーンは、

見ていて心地よく、微笑ましくなります。

不思議と話したくなる気持ちも分かります。

流石に実生活では気心知れている相手以外では

「すごーい」「たーのしー」とかは言いませんが笑

私はけものフレンズを見て自然と前向きな気持ちになります。

 

これから先の展開も気になるので、

今後も楽しみに見ていきたいと思います。

社長の一言から残業時間が激減した話

総合通販の会社編

この話は私が総合通販の会社に就職していた頃のお話です。

時系列としては前回の記事のマツオカさんが入社する前の話になります。

この会社では9時30~18時30分が勤務時間です。

ある日の夜

f:id:TAF:20170203145644j:plain

いつも通りに仕事をしていると

20時30分を過ぎた頃、社長が慌てた様子で

「あー、あれ忘れてたなー」と社長が会社にやってきたのです。

 

社長は社内に入るなり、入り口に一番近い私に詰め寄り、

「TAF君、君はいつもこんな時間まで仕事をしているのか。」と言いました。

 

(え、どういうこと・・?)

 私は状況がよく分かりませんでした。社長の話云々よりも

 f:id:TAF:20170203145641j:plain

(何で社長がこんな時間に会社に来てるんだろう?)

 

こんな疑問が真っ先に頭に浮かびました。

この会社では基本的に毎日

社長は昼過ぎから夕方には会社を出ていなくなります。

従業員は社長がどこで何をしているかは全く分かりませんでした。

そんな社長が夜に会社にやってきたのです。

 

私は「(何で?)」という気持ちを抑えながら、 

「は、はい。大体いつもこの時間帯まで仕事してます。

私は早い方ですけど・・」と答えました。

※当時私は1日1時間半~2時間くらい、月平均で30時間~40時間程残業していました。

 

「これで早い方って・・」驚いた様子でした。

 

そして社長は営業部署の方にずんずんと歩いていき同じように

「君はいつもこんな時間まで仕事をしているのか!」と聞いていました。

 

営業さんは、

「ええ、そうですね。今日はもう少しやることがあるので・・

そうですね、9時半には退社できそうです。」淡々と答えていました。

「9時半って・・」

 その後社長は近くの社員に順番に声をかけていました。

皆同じように答えると4人目に声をかけ終えたあたりで

 

「専務!専務はどこや!」

静かな社内に怒号が響きました。

社長は「温和な人」なイメージがぴったりの人で

私は怒ったところを見たことがありません。全社員がビクッとしました。

 

すると奥の方から専務が出てきて、

「あ、社長、お疲れ様です。こんな時間に珍しいですね。どうされました?」

社長に声をかけました。

 

社長は静かに

「専務、ちょっとこっちに来なさい」廊下に来るように促しました。 

 

位置関係が生んだ偶然

 f:id:TAF:20170203152606j:plain

ざっくり書くとこのような位置関係です。壁と壁の間に遮るものはありません。

 

社長は専務を連れて行くと仕事スペースを出てすぐの場所で

話を始めました。

社長と専務は小さい声で話してはいましたが、

位置の関係上会話の殆どは自然と私の耳に入ってきました。  

 

社長と専務の会話

 

そこからはまさに押し問答の様に

 

社長「専務、彼らはいつもこんな時間まで残業してるのか」

専務「ええ、そうですよ」

社長「君は部下たちが夜遅くまで仕事をしているのを見て何も思わないのか」

専務「思うのも何も彼らが自らの意思で自主的に残ってるだけですよ。

それに自分の仕事が終わったら各々勝手に帰ると思いますよ」

社長「はぁ・・(ため息)君は分かってないな。

そこは部下たちに一言「早く帰れよ」とか声掛けするのが君の仕事だろう」

専務「ええ!?私がそこまでしないといけないんですか!?」

社長「あのな、部下ってのはな、上司が残ってたら上司より先に帰るってのは勇気がいるんや」

専務「いや、彼らは子供じゃないんですよ、いい歳をした大人です。

それくらいできるでしょう!?」

 社長「それが出来ないからこうして問題になってるんじゃないのか?

・・どうやら君には分からないみたいやな」

 

こんなやりとりが続き、社長はしばらく黙った後に、解決策を提案しました。 

 

社長の考え

 f:id:TAF:20170203150955j:plain

もう、君には任せられん。まずは社会労務士を呼んで勤務状況を整理してもらう。

そして人を・・そうやな。人を3人入れる。

それで労働状況を良くして残業時間を減らすぞ!」

社長は2つの考えを出しました。

 

当時の私は「社会労務士」という職業は聞いたことがある程度で詳しくは知りませんで

した。なので正直なところ、この時の私は

f:id:TAF:20170203151507j:plain

何か凄そうな職業程度の認識でした(お恥ずかしい限りです)

 

そして社長と専務の話はヒートアップしていきます。

 

専務「社長待って下さい。社会労務士を呼ぶのは分かりました。

しかし、新たに人を入れたらコストがかかります。人は入れるべきじゃないです」

専務は食い下がります。必死なのが私にも伝わってきました。

 

しばらく、

社長「人を入れる」

専務「コストがかかります、やめましょう」

のやりとりが何度も続き、その後に

 

社長「君がそこまで言うなら分かった、それなら

1度先月のでいいから全社員の残業代の合計を計算して俺に教えてくれるか」

専務「え、先月のですか?」

 

専務は一度社内に戻ると電卓を片手に書類の束を持って社長のところに戻りました。

 f:id:TAF:20170203151033j:plain

専務「これが先月の全社員の残業代の合計です」

社長「君はさっきから何度もコストコストって繰り返してるけどな、

この残業代が一番のコストじゃないのか」

専務「・・・・・」

 

この社長の言葉に専務は何も言えなくなりました。

その日を境に社長の一言から始まった話は実行に移されます。

 

●社会労務士を呼ぶ

私は席を外していたのですが、数日後に社会労務士が会社を訪れ、

助言をしていったそうです。

それにより基本定時18時30分退社、遅くとも19時には退社するようにと

全社員に指示がありました。

 

●人を3人入れる

実際は2人の新入社員が雇用されました。

後に聞くと専務が最後まで主張をし続けた結果、2人になったそうです。

2人は不足していると思われる部署に配属されました。

 

そして、何より専務が変わりました。

毎日定時の18時30分を過ぎると、

f:id:TAF:20170201192345j:plain

「えー、皆、定時になったからな、仕事が終わった者は早く帰れよー」

 

大きな周りに言いながら専務が一番最初に退社するようになりました。

 

(・・物凄くぎこちないです)

 

社長とあれだけ言い争っていた専務からすれば、

本心ではなかったと思います。

 

それでも、管理職の一言は大きいものです。

実際上司に「早く帰れよ」と言われてしまうと残りにくいものです。

私も「(早くしないと!)」と焦ったのを覚えています。

各自自分の仕事の段取りをつけて、随時退社するようになりました。

 

その結果

 

全社員残業は基本なし、多くても1時間程度になりました。

私の場合、月平均30時間~40時間月平均5時間~10時間になりました。

 

実のところ私はこの一連の流れをどこか達観していました。

それは前の会社で残業時間40時間を経験しているので、体が慣れてしまっていたのです。

 

しかし、実際に残業時間が減ると家に帰ってからも寝るまでに時間の余裕ができます。

家に帰って、

 

(あ、まだこんなに時間あるのか)

 

と得をしたような気持ちになりました。

体にも疲れが溜まっていないのが体感的にも分かりました。

何か1時間くらいの趣味が余裕でできそうです。

(実際にこのことがきっかけに私はある趣味を始めます。)

 

残業時間が減ったことにより、仕事に支障がでることもなく、

社長の一言から始まった改革大成功を収めます。

 

私はこの時、社長への感謝もありましたが、時間の大切さを学びました。

人間時間に余裕ができると心に余裕がもてるような気がします。

私にとって仕事に対する価値観が変わったきっかけにもなりました。

時間を大切にして日々を過ごしていきたいものですね。

 

おわり

無能の烙印を押された私が大ヒット商品を開発する話。その4(完)「果たされた約束」

総合通販の会社編

▼この記事はこちらの記事の続きになります。

taf.hatenablog.jp 

taf.hatenablog.jp 

taf.hatenablog.jp 

初日の注文数 

f:id:TAF:20170201192212j:plain

新商品を公開した翌日。

私は出勤後急いでパソコンを立ち上げて注文をチェックしました。

 

「TAF君注文どれくらい来てる!?」

「ちょっと待って下さい。今見てます!」

 

焦るマツオカさんを抑えつつ、ネットショップのシステムにログイン、

注文数を確認すると、

10個程注文がありました。

 

「おお、10個売れてますよ!」

「10個かー・・もーちょっと売れてほしかったなぁ笑」

「うん、そうですねー笑」

 

マツオカさんは残念そうながらも嬉しそうでした。

私は10人の人が興味を持って注文してくれたんだなぁ・・と嬉しかったです。

それに初日で10個、今後に期待が出来そうです。

もちろん私とマツオカさんに休んでいる余裕はありません。

その日は再び情報収集、新商品次はどうしようかーなんて話を2人でしながら仕事をしていました。

 

公開から1日後

 

私はいつものように注文数を確認すると、

20個程注文がありました。

 

「マツオカさん、20個売れてますよ!」

「おおー良い感じやな笑」

「ですねー」 

 

公開から2日後

 

私はいつものように注文数を確認すると

30個程注文がありました。

 

「マ、マツオカさん、30個、売れてます・・よ」

「TAF君、これはもしかしたら、もしかするかもしれんぞ」

「そうですね・・」

 

公開から3日後

 

私はいつものように注文数を確認すると

40個程注文がありました。

 

「マ、マツオカさん、40個、売れてます、これって」

私は自分の心拍数が上がっているのを感じました。

「TAF君、これは来たな、俺らはついにやったぞ

f:id:TAF:20170201192308j:plain

この時私とマツオカさんは確信を得ます。

ついにヒット商品の開発したのだと。

 

更にこの日から注文数もさることながら、

会社宛に「食べるラー油」の問い合わせのメール・電話が頻繁にかかってくるようになりました。

  • 「イベントの景品に使うから50個買いたいんやけどー」
  • 「10個欲しいんですけど在庫ありますか?」
  • 「まとまった個数必要なんですけど今から注文してどれくらいで届きますか?」

単純計算で150個以上売れてます。

私は流石に「(メーカーさん大丈夫かな・・)」と不安になりました。

 

マツオカさんに

「この勢いだとどんどん注文増えてくると思うんですけどど〇〇さん(製造メーカーさん)大丈夫ですかね?」聞きました。

 

マツオカさんは私の肩をぽんと叩いて

「TAF君、大丈夫や。あの会社さんはプロや。これぐらいやったら余裕で対応できる。それにな、これはようやく掴んだチャンスなんや!どんどん売ろう!」

 

答えるマツオカさんに迷いはありませんでした。

「分かりました!」それならば私はマツオカさんを信じるのみです。 

 

決意を新たにしたその時、

?「TAF、マツオカさん」後ろから声が聞こえました。

専務です。

普段専務が私たちに話しかけてくることは滅多にありません。

一体何でしょうか、私とマツオカさんは思わず黙りました。

 

多分これがぎゃふん

 f:id:TAF:20170201192345j:plain

専務は明らかにぎこちない様子で

いや、何か、ネットの商品売れてるみたいやな・・」口を開きました。

 

私が「はい専務、今回企画した商品が」話そうとしたところを

「専務!TAF君の企画した新商品大ヒットしてます!

f:id:TAF:20170201192416j:plain

マツオカさんが私の発言に割り込むように言いました。

 

・・・

 

数秒の沈黙の後に、

専務が 「TAF、それは本当か。」私をじっと見て確認するかのように聞いてきました。

 

「はい、確かにこの商品を企画しようと言ったのは私です。

そしてサンプル作成・撮影・商品ページの作成をマツオカさんと協力して

二人で完成させました。」私は答えました。

 

この時、きっとマツオカさんは私の専務からの評価を上げるために

私を立てようとしてくれたのでしょう。

でも私はこの商品はマツオカさんの力なくして出来なかったこと、

二人で完成させた商品であることは譲りたくなかったのです。

 

「そ、そうか・・」専務がばつの悪そうな顔をしながら言いました。

 

その反応を見ていたマツオカさんが

専務この商品凄いヒットしてます。テレビ・新聞とかでも売れると思いますよ!」

 提案しました。

 

「そ、そうですね、やってみてもいいかもしれませんね。」

「是非、お願いします!」

 

専務はそう話すとそそくさと離れていきました。

専務が席を離れた後にマツオカさんが小声で

「TAF君、有言実行やな笑」と嬉しそうに話しかけてきたのですが、

私はこの時ヒット商品を開発した達成感が殆どで

マツオカさんとの約束「ぎゃふんと言わせる」はすっかり抜け落ちていました。

知らぬ間にぎゃふんと言わせていたようです。

 

数日後、社長の決裁がおり、新商品辛い食べるラー油はテレビ・新聞広告・ラジオ等

会社の全ての媒体で大々的に販売していくことが決定しました。

 

注文が止まらない 

f:id:TAF:20170201192806j:plain

その後もネットは注文が止まることがなく、

50・60・70・80と右肩上がりに増え続けていました。

今回の新商品は販促に関しては専務の方針の元、

予算を全てカットされていたため、私とマツオカさんの部署では

広告費を1円も使っていません。つまり置いてるだけでどんどん売れているのです。

通常、広告費を使って宣伝して販売する総合通販の

常識では考えられない魔法の商品を私とマツオカさんは作ってしまったのです。

そして販売を開始したテレビ・新聞広告 の効果は絶大で一度に100・200と記録的な数字を出し続けます。

この頃には食べるラー油はインターネット・情報番組・ニュース・雑誌にも取り上げられ、

最終的に半年に1億7000万円を売り出す記録的な大ヒット商品になります。

自分が企画した商品がテレビで映っている光景を見るのは不思議な感覚でした。

 

栄枯盛衰

 

ここまでいくと順風満帆の様に見えますが、過去記事で書きましたように

私が勤めていた企業は倒産してしまいます。

taf.hatenablog.jp

 

この時は私、マツオカさんも予想もつかない突然の出来事だったのですが、

機会があれば紹介したいと思います。

最終的には企業はなくなってしまいますが、 

食べるラー油大ブームの最前線とその舞台裏を見てきた私は、

この一連の出来事は自分の人生の中でも特に鮮明に残っています。

 

今となっては昔の出来事ですが今でも思い出すことが少なくありません。

当時の私は20代で経験も浅かったですが、その後紆余曲折を得て今の私は経験を積みました。

再びマツオカさんと会って話してみたいなと思います。

情熱的で、きっとまた面白いことが一緒にできると思います。

 

おわり

 

最後に

「無能の烙印を押された私が大ヒット商品を開発する話」のお話は

これでおしまいになります。いかがでしょうか。

今回開発した新商品名は控えさせて頂きますが、今でも普通に販売されている商品で、

見かけると懐かしくなります。

 

この話には後日談等もありますし、マツオカさんの話を始め、

この企業ではマツオカさん以外にも記憶に残った多くの人たちと

一緒に仕事をすることができました。

その人たちのことは別の記事でご紹介したいと思います。

無能の烙印を押された私が大ヒット商品を開発する話。その3「それは九州からやってきた」

総合通販の会社編

▼この記事はこちらの記事の続きになります。

taf.hatenablog.jp 

taf.hatenablog.jp

 

それは九州からやってきた

 f:id:TAF:20170130132902j:plain

電話の途中突然口調が変わったマツオカさん。

「わ、分かりました、ちょっとこっちでも調べてみますわー」

 

困惑しているような様子ながら電話を切るマツオカさん。

そして私に

「TAF君・・食べるラー油って聞いたことある?」と言いました。

 

食べるラー油・・

ラー油を食べる?

 

私はマツオカさんの言っている意味が分かりませんでした。

「え・・ラー油ってあの餃子とか食べる時に使うラー油ですよね、

いや、ラー油を食べるっていっても、ラー油って液体じゃないですか。

むしろ・・どうやって食べるんですか?」

私は質問に質問を返していました。

 

マツオカさんも要領を得ない様子で

「いや、俺も全く同じ感想なんやけど、それがな・・」と言い、話しを続けました。

 

水面下で動く謎の商品

 

マツオカさん曰く、 

  • 九州のある実店舗で食べるラー油なる商品が凄い勢いで売れている
  • その規模が少しずつ広がっている
  • 大手メーカーの桃屋が作っていて凄く長くて変な名前の商品
  • 桃屋のホームページにはお詫びが掲載されている

とのことでした。

 

私が桃屋のホームページを見てみると確かに品薄のお詫びが掲載されていました。

そこにあったのは、「辛そうで辛くない少し辛いラー油」という商品でした。

 f:id:TAF:20170130135103p:plain

www.momoya.co.jp

 

※今となっては誰もが知っている商品ですが、

当時私が調べた限りテレビ、新聞にも掲載されず、唯一桃屋のホームページ でのみ

その存在を知ることができる商品でした。

 

「マツオカさん、確かにありました。にんにくチップとか入れて食べやすくしてるみたいですね。ごはんにかけて食べる商品ですね」

私はパソコンモニターに指を指しながらマツオカさんに話しかけました。

 

「ああ、TAF君、ありがとう。へぇーこれがそうか。何かラー油やのに辛くないってのは変な感じやな。実際食ってみな分からんな」

せめて現物があれば・・。なにせ情報が少な過ぎる。

私とマツオカさんは狐につままれたような感覚でその日は会社を後にしました。

  

地元のスーパーにて

 f:id:TAF:20170130140145j:plain

その日の退社後、私は辛そうで辛くない少し辛いラー油」が気になっていたので、

自宅近くのスーパーに見に行くことにしました。

すると残り2個で 棚に並んでいました。 

他の類似商品と比べて明らかにこの商品だけ数が減っています

「大阪で後2個・・近畿でも売れ始めてきてるかもしれない。」

 

私は気になりましたが、まずは味の確認が最優先です、

購入後は急いで家に帰り、早速ご飯にかけて食べてみました。

 

「あ・・これ美味しい。確かに、辛くない」

 

私の第一印象は「ラー油だけど、食べたことのない味」でした。

私は辛い物が苦手なので、辛さが控えめの味付けは食べ易く、

気づいたらパクパクと食べていました。

なるほど、こういうことか。商品名の意図が分かりました。

私は食べるラー油をポリ袋に入れて明日会社に持っていくことにしました。

 

 希望と迷い

 

私は翌日出社後、早速マツオカさんに

食べるラー油、昨日スーパーに見に行ったらありましたよ!」 

食べるラー油を見せました。

 

マツオカさんは一口食べると

「ああー!こういうことか!はー、よう考えたなー」感心しているようでした。

 

しかし、しばらくすると

「あーでも、俺みたいな辛い物好きからしたら辛さが物足りんわ。

もっと辛くても良いけどな」マツオカさんは少し不満げでした。

 

「僕とかは辛い物苦手なので食べ易かったですね。

きっと僕と同じように辛い物が苦手な層を狙った商品だと思いますよ。

だから商品名にも辛くないって入れてるんですよ。

でも・・確かに言われてみれば元はラー油ですからね、

やっぱり辛い物が好きな人からしたら物足りないかもしれませんね。」

私は自分が感じたことを伝えました。

 

「いや、TAF君、絶対そうや。

こういう辛い物ってのはな、俺みたいな辛い物好きが真っ先に手に取るんやけど、

辛くなくて文句言う人はおるけど辛すぎて文句言う人はそうおらへんのや。

マツオカさんは確信をもって話しているようでした。

 

「それじゃあもし、名前の通り辛さが強めで、

まさに食べるラー油とも言える商品があったら売れるんじゃないですか?

理屈としては売れるはず。私はマツオカさんに提案しました。

 

マツオカさんの人脈では商品の加工を専門に扱っている会社があります。

そこなら作れるのではと。

 

「確かにあの会社やったら作れるよ。けどな、TAF君、

俺もここまで言っといてなんやけどな・・」

マツオカさんはどこか気が進まない様子でした。

 

運命の分岐点

 f:id:TAF:20170130142249j:plain

「実はなTAF君、こういうご飯のおかず系の商品ってのは一発当てたらでかいから、

毎年毎年色んなメーカーがやれにんにく入れましたとか、やれ明太子入れましたとか

色々考えて出すんや。でもな大概売れずに消えていくんや。

やからTAF君には折角持ってきてもらって悪いんけどこの食べるラー油に関しても同じ様な気がするんやわ。

俺は正直企画する程のもんではないと思うけどTAF君はどう思う?」

マツオカさんは企画に関しては懐疑的なようでした。

 

新商品の企画は日数と相当なエネルギーを注ぎ込んで完成します。

売れる見込みのない商品は避けるのも一つの判断なのです。

 

しかし、私は自分がスーパーで目にした棚の減りもありましたが、

何かひっかかるものがありました。なので静かに力強く

 「確かに、そうかもしれませんけど・・もちろん美味しいってのもありますけど、

何より食べるラー油って響きがキャッチーですし、僕はやってみたいですね

私は答えました。

 

「わかった、それじゃあ企画しようか。」

 

こうして辛い食べるラー油商品の企画がスタートしました。

 

誰も知らない物を売るということ

 

新商品の企画がスタートすると私のマツオカさんがやることは多岐に渡ります。

  1. 商品スペックの確認(容成分・量)
  2. サンプル作成
  3. サンプル撮影
  4. 商品のセット組・販売個数を検討
  5. 商品ページの作成
  6. 販売

 これらの作業を二人で分担して進めます。

この中でも特に時間がかかるのが5の商品ページの作成です。

よろしければ皆さんも一度イメージしてみて下さい。

誰も知らない物を自分が相手に説明して売る、簡単なことではありません。

まず相手に説明するところから大変です。

誰も知らない物です、不審がる人もいるでしょう。

説明がくどくなると「いや、もういいよ」と嫌になる人もいるでしょう。

そのため、くどすぎず、かつ分かりやすい説明、そして興味を惹く、

絶妙なセンスが求められます。

商品の核とも言える部分で売れ行きを左右する重要なポイントです。

それをページ構成から作成まで自分たちで考えなければなりません。

 

今回企画する新商品は

私がノートに商品ページの全体の流れを下書き、

それを元にマツオカさんがデザインしていくという形で作っていきました。

  f:id:TAF:20170130133347j:plain

※当時を振り返りながら書き起こして見ました。字が汚いのはご了承下さい。

相手に伝われば良いのでこのような感じで思いついたアイデアやフレーズがあれば

どんどん追加していきます。

4コマ漫画の様なイメージで上から下に商品ページの流れを書いていきます。

途中お互いで意見交換しながら一つの商品ページに仕上げていきます。

私は日常の業務の中でもこの仕事が特に好きな仕事でした。

真っ白いキャンパスに絵を描いていく様な感覚で非常に楽しいです。

 

その後メーカーからもサンプルも届き、良い具合にピリ辛~辛い味に仕上がりました。

新商品開発は急ピッチで進みその結果、2週間程で商品ページは完成しました。

※今回開発した商品につきまして、色んな人と関わって出来た商品なので

具体的な商品名は控えさせて頂きます。商品は現在アマゾンでも販売されています。

 そして新商品の公開前日を迎えます。

 

新商品公開前日

 

「いよいよ、明日ですね。」

「せやな。売れてくれたらいいんやけどなぁ・・」

「そうですね・・」

 

私とマツオカさんはこんなやりとりをしていました。

商品を企画した人間にとって、自分が企画した商品は我が子の様なもので、

愛着が沸きます。

私もマツオカさんも自分が良いと思った物をお客さんに薦めるのがポリシーです。

どの商品もお客さんの手に渡ってほしい気持ちは同じです。

年は一回り離れていますが、これまでに数々の商品を企画していく内に、

私にとってマツオカさんは同僚というより戦友とも言える存在になっていました。

しかし、あまり悠長なことも言っていられません。

実のところ、ヒット商品に恵まれていないのもあって、

最近私にのみならずマツオカさんにまで専務からの批判の目が向けられるようになっていました。マツオカさんも不安を隠せないようでした。 

 

「マツオカさん、新商品・・公開しますね」

「うん、頼むわ・・」

 

カチッ

◆公開する

f:id:TAF:20170130140556j:plain

私はマウスをクリックしてネットショップに新商品を公開しました。

ネットショップの商品の売れ方は様々です。

爆発的に売れる商品、じわじわ売れる商品、公開してから初めて分かります。

新商品の公開日の時点でインターネットモールに出店している約3000店舗弱の

どの店も販売していません

桃屋食べるラー油は品切れのためネットには流通していません。

そして私達と同じように開発しているお店はありません。

つまり私達のネットショップが同モール内での一番初めに販売するお店になります。

 

売れるのか、

売れないのか。

 

後は行く末を見守るのみです。

期待と不安が入り混じる中、私とマツオカさんは会社を後にしました。

 

つづく

無能の烙印を押された私が大ヒット商品を開発する話。その2「マツオカさんの告白」

総合通販の会社編

▼この記事はこちらの記事の続きになります。 

taf.hatenablog.jp

 

マツオカさんの告白

f:id:TAF:20170127142653j:plain

マツオカさんにお昼に誘われた私は、お気に入りの和食のお店に向かいました。

このお店はオフィス街の中にある隠れ家的なお店。

大きなビルの裏にある目につきにくい場所にあります。

料亭の様な雰囲気を持ち、白い調理服を来た料理人が

新鮮な肉や魚を中心に、煮たり、焼いたり、天ぷらも一つ一つ揚げてくれます。

味はもちろんのこと、食材を切る包丁の音、魚を焼く音、油で揚げる音も心地良く、

気持ちが落ち着ける私のお気に入りのお店です。

 

席につき、注文を済ませるとマツオカさんは

「TAF君は俺がこの会社に来た話って社長とか専務さんから聞いてる?」と言いました。

 

私が全く何も聞いてないことを伝えると、

 

「そうか・・それじゃあ先に俺がこの会社に入った経緯から話そうか」

 お茶を少し口にしてからマツオカさんは話し始めました。

 

マツオカさんの入社の経緯

f:id:TAF:20170127143258j:plain

マツオカさんは、前職の会社で商品の仕入れを担当していたそうです。

充実した毎日を送っていたのですが、

ある日、いつもの様に家から会社に出勤すると会社のシャッターが閉まっていて

社内に入ることができず、最初は何が起こったのか分からなかったそうです。

後に取引先が原因により倒産、会社そのものがなくなっていたそうです。

 

マツオカさんはご結婚されていて、子供さんもいます。

当時は「これからどうすれば良いんだ・・」と途方に暮れたそうです。

 

そんなある日、以前面識があった今の会社の社長からたまたま連絡があったそうです。

マツオカさんが事情を話すと社長が「だったらもしよければウチで働きませんか」

と助け船を出され、そして入社に至ったそうです。

 

「今の俺がいるのは社長のおかげやねん。

だから俺は社長に対して本当に感謝してるし、力になりたいと思ってるんや。」

 

マツオカさんは時より何かを噛みしめるように話しているようでした。

 

専務とのお昼の出来事

 

マツオカさんは続けて話します。

「昨日な、専務さんからお昼に誘われたから一緒に行ってな、

仕事の話とかしてきたんやけど、専務さんTAF君のこそボロカスに言ってたぞ。」

 

私は大体予想がついていました。ああ、きっとそうだなと。

「ああ・・でもしょうがないですよ。実際売上出してませんし、そんな」

 

その時マツオカさんは 私の発言を遮るように手を前に出しながら

いいや、TAF君そんなことないぞ そう言いました。

 

マツオカさんは熱い人だった

 

私が一瞬驚き話すのを止めるとマツオカさんは手を元に戻し、

私に語りかけるように話を続けました。

 

「あんなもんはな、人の上に立つ人間の指導でもなんでもない、唯の嫌がらせや。

それにな、俺はTAF君と一緒に仕事してて思ったんや。

TAF君みたいにな、一生懸命真面目に仕事している人間が報われるような世の中にしなあかん。

そしてそんな世の中に変えていくのが俺たちみたいな人世代上の人間の役割なんや。

 

マツオカさん曰く、専務は数字以外にも学歴や性格、出身にも触れて、

もはや人格批判になっていたらしいです。

 そしてマツオカさんはおもむろに名刺を収納するファイルを出しました。

ファイルには名刺がぎっしりと入っているのが私からでも見えました。

 

俺は仕入れのプロや。北は北海道から南は沖縄まで全国を歩き回った。

だからTAF君が売りたい物があったら何でも言ってくれ。

俺がどんなものでも見つけてきたる!それでな、

俺とTAF君の2人ですげえヒット商品を作って上の人間をぎゃふんと言わせてやろうぜ!」

マツオカさんは最後に力強く私に呼びかけました。

 

私はてっきり同情して優しい言葉でもかけてくれるだろうと思っていたので、

予想外の答えに驚きました。

後、「ぎゃふんと言われてやろう」なんて言葉を実際に聞くことがあろうとは。

 

学生時代いじめられっ子の私は小言を言われたり迫害されたりは慣れたものですが、

決して気持ちの良いものではありません。

そしてそれは同調する人間が増えれば増えるほど大きくなっていきます。

専務の意図は分かりませんが、社長のコネで入社したマツオカさんを仲間に引き入れようとしたのでしょうか。

ところがそれがかえってマツオカさんの闘志に火をつけてしまった。

 

マツオカさんは私からの言葉を待っているようでした。 

f:id:TAF:20170127150717j:plain

私はその時自然と目線を少し下に下げていました。

今まで現状を打破しようと日々悩み、試行錯誤を繰り返してきた。

しかし、結果が出ずに1年が過ぎていた。

知らぬ間に心のどこかで何か変わるきっかけが来ることを望んでいたのかもしれない。

今目の前にはそんな出来事が実際に起こっている。

私の考えを理解して一緒に頑張ろうと呼び掛けてくれている人がいる。

今がその時なのかもしれない。

いや、きっとそうなのだろう。

 

私は一度下げた目線を元に戻して、

「・・分かりました、力を合わせて頑張りましょう」

 

こんな時に使う言葉なのでしょうか。私はこの時涙が出るほど嬉しかったです。

このお昼をきっかけに私とマツオカさんは意気投合します。 

f:id:TAF:20170127145016j:plain

この日以降、私はお昼はほぼ毎日マツオカさんとお昼に行くようになりました。

私はネット・雑誌・マツオカさんは人脈を通じて情報を集め、

お昼を食べながら企画の話や情報交換を行うようになりました。  

 

 現実は・・

 

さて、ここでいきなり大ヒット商品を開発すれば、

このブログ記事の「無能の烙印を押された私が大ヒット商品を開発する話」も

綺麗なお話になると思います。しかし、現実はそんなに甘くありません。

私とマツオカさんが企画した商品はお世辞にも大ヒットとは言えない

小ヒット、あるいは殆ど売れない状況が続きます。

参考までに下記に私達が手掛けた商品の一部を掲載します。

  • 紅はるかの加工商品
  • 干し芋
  • アサイベリーの加工商品
  • ブランド卵を使ったカステラ
  • ブランド豚を使ったソーセージ

紅はるかは今となってはスーパーやコンビニのプリンに、

アサイベリーグラノーラやサプリ等で見かける様になりましたが、

当時は誰も知らない商材でした。

 

前回の日記で書きました

・商品の値段:他店舗より高い

・送料:全国一律1000円・送料無料にはならない

・注文から発送まで:注文してから2週間前後でお届け

・原則同梱できない

私のネットショップは商品価格・送料の等条件が厳しいです。

 

そのため、私とマツオカさんに課せられたミッションは

商品価格や送料すら気にならないほど買いたくなるような

「強い商品力を兼ね揃えた商品」を生み出さなければならないのです。 

 

マツオカさんは 口癖のように

「良い商品なんやけどなぁ・・」と呟いていました。

私も「そうですね・・」と相槌を打ち、二人で日々頭を抱えていました。

 

 一本の電話

 

そんなある日いつもの様に仕事をしていると、

マツオカさん宛に一本の電話が鳴りました。

f:id:TAF:20170127144312j:plain

マツオカさんは受話器を取り「あー!どうもお世話になってますー!」

 

元気よく話しています。取引先のようです。

マツオカさんの席は私の席の隣でいつもみかける光景です。

しかし途中で、

 

「え?いや、それって、ホントですか?」

 

突然マツオカさんの口調が変わりました。

 

この一本の電話が私たちの運命を変えることになります。

 

つづく

無能の烙印を押された私が大ヒット商品を開発する話。その1

総合通販の会社編

f:id:TAF:20170125114006j:plain

この話は私が総合通販の会社に就職していた頃のお話です。

当時私は大手ショッピングモールのネットショップの店長として

ネットショップの立ち上げから運営の仕事を任されましたが、

月の売り上げは40万~70万という規模でした。

しかし、ある人と力を合わせて新商品を開発。

その商品は後に会社全体で1億7000円の売り上げを上げる大ヒット商品となります。

今回は私が会社員時代にヒット商品を開発するまでのお話になります。

 

未経験の私を社長が一発採用。

 

私が面接に訪れた時、面接は社長が行いました。

社長からは

現在我が社ではテレビCM・新聞広告を中心に通販を行っている。

業績は好調で順調に伸び続けている。

今回新しくインターネットでの販売を始めようと思っている。

安定した売り上げも見込めるだろうから売り上げよりもまずは

テレビCM・新聞広告で紹介した商品をネットショップに追加してもらえれば良い、

それを君に是非お願いしたいと思っている。

 

まとめるとこのような内容を伝えられました。

私は過去にネットショップのアルバイトで補助的な作業の経験はありながらも

ネットショップの運営は未経験でした。

前職の製造業での実績を中心を自分なりに仕事に対する熱意を伝えました。

面接中私の応答に対して社長はうんうんと頷きながらも

淡々と話しているように私には見えました。

面接の数日後、企業から採用の連絡があり私は正式に採用されることになりました。

 

部署は新規部門のため私の1人部署となり、

入社後は自社のネットショップ・大手ショッピングモールに出店、

テレビCM・新聞広告の商品を随時ネットショップに追加する仕事を中心に行いました。

 

余談

 

入社後に先輩から聞かされたのですが、私の面接の後、

社長が喜びのあまりに「これで会社が変わるぞー!」と言いながら

両手を上げて会社内を走り回ったそうです。

 

当時私以外にも多数の応募があったが社長が私に即決したとのこと。

社長は私から何か感じるものがあったのでしょうか。

(ありがたいけど、それはそれで結構プレッシャーだなぁ・・)

ネットショップの分野には興味があり、やってみたい仕事でしたが、

私は嬉しい反面、不安になりました。

 

総合通販の企業の例外

 

ここで少しだけ専門的なお話をさせて下さい。

通常「新しく商品を販売しよう!」を新しく出店したネットショップが

オープン直後から注文が入るということはありません。

安定した売り上げを上げるのに非常に苦労します。

認知度がない・商品力の不足・広告費が出せない等理由は様々です。

町の小さなお店でも、大手ブランドのお店でも出店すれば

同じ土俵で戦うことになります。

しかし、総合通販の場合、普段からテレビ・新聞等で勢力的に宣伝を行っているため、

あらかじめ条件を満たしているのが特徴です。

特に「テレビで見た商品」の信頼は非常に高いです。

面接で社長が話していた「安定した売り上げも見込める」はこれらを指しています。

 

新規ネットショップがぶつかる3つの壁

 

新しく出店したネットショップは主に3つの壁にぶつかると言われています。

  1. 月商100万円
  2. 月商400万円
  3. 月商1000万円

ネットショップは出店に伴うコストもかかります

(材料費・カード決済手数料・送料・広告費・梱包材等)

多くのお店は1つ目・2つ目の壁を越えることができず、

日々コストがかさむことから「割が合わない」という判断の元に

出店してから2~3年以内に撤退をすることが多いです。

 

そしてこの3つの壁の中の1つ目の壁である月商100万円以下の

ネットショップの店長は社内では決して良い扱いはされません。

私自身入社後はこの壁を越えることの難しさを思い知らされます。

 

 他店舗と戦う前の戦力差

 

 皆さんも普段ネットショップで買い物されることもあると思います。

その時何を優先しているでしょうか。

 

  • 商品の値段(購入しようとした商品が安いかどうか)
  • 送料(無料かどうか・〇〇円以上で送料無料等)
  • 注文から発送までの速さ
  • 同梱できるかどうか

 

人によって異なると思いますが、こちらの4つの中に当てはまるのではないでしょうか。

これらの条件は出店している各お店・企業が条件を定めています。

私が就職した総合通販の企業をこれらの4つに当てはめると

 

・商品の値段:他店舗より高い

・送料:全国一律1000円・送料無料にはならない

・注文から発送まで:注文してから2週間前後でお届け

・原則同梱できない

 

見事なまでにどれも当てはまりません。

※補足しておくとこれらの条件は総合通販の世界では別段不思議なものでななく、

現在でもよく見かける条件になります。

本来は送料等の条件設定は担当者の考えを元に定めるのですが、

私が就職した企業の場合既に他のメディアで条件を宣伝しているため、

「ネットショップも同じ条件で販売」となりました。

これは私の考えが甘かったですが、自分なりにあらかじめ条件を考えていただけに残念でした。

 

本来なら怖い物なしのはずが

 

実はこれらの条件を覆すのがテレビCM・新聞広告等の販売です。

実際に大手ショッピングモールのランキングの上位には

〇〇ショッピング等の総合通販の企業が現在もランクインしているのを見かけます。

今になって冷静に分析するとライバル企業に比べて、

テレビCM・新聞等の媒体の力が弱かったのでしょうか。

ぽつぽつと注文が来るも大きな売り上げには繋がりませんでした。

 

直属の上司から無能の烙印を押される。

 

出店から1年が過ぎた頃、私の直属の上司の態度が明らかに変わってきました。

 

「おい」「お前さー」「これじゃあ人件費も出ないやろ」「やる気あんの?」

「売れてないショップに出す金はない。広告費なしで売り上げあげろ」

 

毎日の様に厳しい言葉を浴びせかけられました。

その時のお店の月商は40万~70万前後。

良く言えばトントン、又はやや黒字、悪く言えば利益がほぼ出ていません。

社長は「まぁまぁ」と私をかばって下さったのですが、専務は実力主義

売り上げを出せていない私を戦力としては認めませんでした。

厳しいようでこれは当たり前の話で、結果を出せていない人間への評価は

非常なものです。

この時の私の正直な気持ちは「専務に対する苛立ち」よりも

「自分の無力さへの悔しさと自分を評価してくれた社長に対して申し訳ない」

気持ちで一杯した。

何とかしたい。そんな思いが常に頭をよぎっていました。

 

私はこの頃には自然とプライベートな時間も

どうすれば売り上げが上がるかを考える様になっていました。

 そんな日々が続く中、ある日私は新入社員が1人入ることを聞かされます。

 

社長のコネで入社した中途採用のマツオカさん

 

私が入社して1年が過ぎた頃1人の男性社員が入社します。

名前はマツオカさん(仮名)

年齢的には一回り上の方で、どうやら社長のコネで入社とのこと。

無能の烙印を押された私が大ヒット商品を開発できたのは、

マツオカさんの力なくてはありえませんでした。

 

マツオカさん「TAF君よろしく!」

 

マツオカさんの印象は明るく、人当たりが良いイメージでした。

人を惹きつけると言ったらいいのでしょうか、不思議な魅力を持った人です。

マツオカさんは私と同じ部署に配属されました。年上の後輩になります。

 

専務からは私が1人の時に

「お前が余りにも戦力にならんから人を入れることにした。何とかしろ」

との一言。

 

※後にマツオカさん本人から聞かされるのですが、

マツオカさんの入社の経緯は私とは特に関係ありません。

私に発破をかけようとしていたと思います。

 

それからしばらく私は日中の業務に加えてマツオカさんに仕事を教えていました。

お昼の休憩は私は外食、マツオカさんは社長とお昼に行っているようでした。

 

マツオカさんから突然のお誘い

 

マツオカさんが入社してからひと月程が過ぎたある日、

お昼の時間マツオカさんと専務がお昼に行きました。

 

私は珍しいなと思いながらもその時は特に疑問には思いませんでした。

 

そして、翌日のお昼

 マツオカさん「TAF君今日一緒にお昼行かへん?」

 

 突然マツオカさんから一緒にお昼を誘われました。

 私「はい。良いですよ。僕・・良いお店知っているのでそこに行きましょう」

急な誘いに驚きながらも断る理由もないので私はすぐに了承。

 

この時私はふとマツオカさんが昨日専務とお昼に行っていたことが頭をよぎりました。

 

「(昨日専務とお昼と行った翌日に「私」をお昼に誘う

マツオカさんは私に何か大事な話をしようとしている・・?)」

 

私は何かを察し、自分が知っている隠れ家的な和食のお店にマツオカさんと向かいました。

 

その和食のお店でマツオカさんは私にあることを打ち明けます。

 

つづく